LED

LEDはLight Emitting Diode の略語です。emit は発するという意味で、日本語の「発光ダイオード」は直訳なんですね。

PN接合に電圧を掛けない状態ですと、接合面付近に空乏層があるために電気は流れませんが、少しずつ電圧(順方向電圧)を掛けて行きますと、n型の空乏層に電子が入り込んで行きますね。p型の空乏層には正孔が入り込んで行きます。空乏層がどんどん薄くなっていきます。

それでどんどん電圧を上げていきますと、ついに電子と正孔が再結合して、「ダイオードに電気が流れた」ことになります。

この時、伝導電子は、伝導帯から価電子帯に落ちる(フェルミ準位が下がる)ことになり、余ったエネルギーが熱になったり光になったりして放出されます。

光の波長(光の色)は、半導体結晶の組成や添加する不純物の種類によって変わります。昭和の時代にはLEDと言えば赤色だけでした。1970年代とか、昭和の時代の半導体工学の教科書には、「LEDは原理的にフルカラー発光ができない。赤色に加え、緑色は開発され、青色の研究開発も行われているが実現可能性は低い。」などと書いてあって、純真な少年少女は「そうなのかー」と騙されてしまったわけです。その後、名古屋大学の赤崎・天野教授と、UC Santa Barbaraの中村修二教授が、青色ダイオードを発明発展させて2014年のノーベル賞受賞となったことは記憶に新しいところです。

この青色LEDの実現不可能性についての教科書の記述から、21世紀の子供達も教訓を得るべきですね。つまり、今現在不可能とされていることでも技術革新によって「あっさり実現」しちゃうことがあるってことですね。今現在、実現不可能とされていること、それは核融合と強いAIですね。できないと決めつけないで、「できるかもね」という認識で居るのが良いと思います。


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