プライバシー保護検索エンジン

Screenshot of duckduckgo.com

検索データをサーバーに保存しない「プライバシー保護検索エンジン」ご存知ですか?一番有名なのが、米国のduckduckgo、略してDDG、行けアヒルちゃん!というような意味ですね。

Screenshot of www.qwant.com

フランスでは、Qwant が頑張っています。フランス政府はプライバシーの観点からGoogleの使用を停止して Qwant を使用しているんだそうです。

Screenshot of www.startpage.com

オランダでは、startpage が検索エンジンと共にstartmailというメールサービスも提供しています。こちらは有料プランもあり、「プライバシー配慮した商用サービス」というビジネスモデルを確立しています。

検索エンジンを運営するには、インターネットのクローリング(WEBページの巡回とインデックス=キーワードの保存)と、検索クエリ(検索窓に入力された検索要求)に対するインデックス照合と、検索結果表示という莫大なデータ処理を提供する必要があり、膨大な保存容量とCPUパワーとインターネット回線容量を必要としますので、莫大な初期投資と維持費(メンテナンス費用、電気代、人件費)が必要となります。

これを賄うために大手商用検索エンジン会社では、広告を表示したりアフィリエイト表示させたりするわけですが、その際に、広告の効率化を図るために(広告収益を最大化させるために)、検索者の属性や過去の検索動向などをサーバーに保存して、検索者に最も良く適合する(広告効率の良い)広告を表示するプログラムが実行されています。

たまに検索結果画面や、ブログ記事などを読んでいる時に、「最近自分が気にしてる問題に関する広告」が表示されてドキッとしたことありませんか?例えば、痔で悩んでいる時に「痔の軟膏の広告」や「肛門科クリニックの広告」が表示されたりするという具合です。これはあなたのネット検索や閲覧の情報を利用して、検索エンジン会社が広告主から莫大な収益を上げている証拠なのです。

イスラエルの歴史学者ユヴァルノアハラリさんは、著書「ホモデウス」で「グーグルは検索とgmailを通じて、フェイスブックは閲覧と「いいね!」のクリック数を通じて、マイクロソフトはコルタナで、アップルはsiriで、私たち自身の事を私たち自身よりも詳細に正確に知ることができる。」という趣旨のことを述べています。我々は知らず知らずのうちにネット巨大企業に自分自身の沢山の情報を握られてしまっているのです。

その他にも、スマホの日本語入力ソフトウェアが、WEB入力フォームの入力文字列を外国にデータ送信していたニュースが問題となったこともあります。入力フォームには、ネットバンキングのパスワードを入力することもありますから、これは大問題です。自分の全財産をネット銀行に預けている場合、自分の全財産を巨大IT企業に握られてしまっていると言っても過言では無いのです。

巨大IT企業の前では、か弱い個人は、秘密を保持することすらできないのです。

このような状況の進展に危機感を持った人々が、プライバシー保護検索エンジンのムーブメントを開始しています。既にduckduckgo を標準検索エンジンに設定しているブラウザやOSも出現しています。巨大IT企業と個人が、個人情報を巡って戦っている構図です。この変革を書いた本がジョージギルダーさんの、”Life after Google”です。シンギュラリティを乗り越えるために、ネット検索で現在何が起きていて何が問題視され、どのような運動が日々起きているか、常に意識していくこと、毎日チェックすることが必要でしょう。


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