太陽活動と景気

三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所長である嶋中雄二さんの「太陽活動と景気」を読みました。驚くべき話が沢山書いてあります。いくつかピックアップしますので各自原書で御確認下さい。

※吉村宏和、太陽長期変動研究の観点から見たアフリカ・ビクトリア湖水面位とナイル川水位変動の歴史的記録の考察(太陽活動55年周期、110年周期への言及) →55年コンドラチェフサイクルに対応

https://www2.nao.ac.jp/~mitsurusoma/gendai3/113-132Yoshimura.pdf

※太陽磁気の22年周期→22年クズネッツサイクルに対応

ヘール-ニコルソンの法則

フランスの経済学者クレマン・ジュグラーは、7~12年の周期は、(1)繁栄、(2)恐慌、(3)清算の3つの局面に分割されると分析した。彼は、「恐慌に先行する兆候は、大繁栄というシグナルである」と述べています。

Screenshot of www.bls.gov

ジュグラーの言葉に従えば、50年振りの低水準となっているアメリカ失業率は、「恐慌に先行する兆候」ということになってしまいます。

ロシアの科学者で歴史家でもあったアレクサンダー・チジェフスキーは太陽黒点に起因する地磁気嵐が、電気の使用、飛行機の墜落、伝染病、バッタの大量発生に影響するだけでなく、人間の精神活動にも影響を与えていると主張しました。大気中の負イオンの増加により、大衆が興奮するというのです。チジェフスキーは、黒点活動の11年周期が大衆の不平不満感に影響し、反乱、革命、内戦、国家間の戦争に至ることによって、人類の歴史を動かしてきたと主張しました。太陽活動の生物への影響を調べる研究を彼は「太陽生物学 Heliobiology」と呼びました。

Screenshot of en.wikipedia.org

「二人のドイツ人研究者、B・デュールとT・デュールは、50年ほど前に、黒点、磁気嵐オーロラといった太陽活動と人間の自殺との関係について、太陽活動が特に活発な日には自殺が約8%増加することを見出した。」

「1963年、アメリカの整形外科医R・ベッカーは、精神病院への入院が太陽フレアと相関していることを見出した。」→太陽フレアは、太陽活動が活発な時期、黒点数が多い時期に増えます。地磁気と我々の精神が何らかの連動をしていることを示すものでしょうか。

「脳の中での生理的・生化学的なプロセスは、生電気と密接に関わっており、その基本はナトリウムイオンやカリウムイオンの濃度の差を含む膜構造にあるとされている。これらのイオンの透過性は「膜電位」と呼ばれる電流でコントロールされるため、もしも地磁気が膜電位に作用するならば、それはヒトの生体の生理学的機能にも当然影響を与えるはずなのである。」

これは定性的な話ではありますが分かりやすい論旨です。我々の体内の神経細胞にはイオン電流が流れているのだから、地磁気の変動の影響を受けざるを得ないという当然の話になっているわけです。

この、地磁気の変動の他、季節性の、気温とか紫外線量というパラメーターも作用して、ヒトの心が動かされているようです。私たちは、怒ったり泣いたり喜んだり悲しんだりしているときに、その感覚が余りにも現実的であるために、それが太陽活動の影響を受けているとは全く理解することはできません。しかし、理解できなくても、影響を受けていることを示す証拠が沢山見付かっているのです。

この本には日光浴(紫外線)によるビタミンDの生合成と抑うつ効果についての言及はありませんが、これも様々な研究で影響が実証されています。紫外線照射量が我々の精神に与える影響は株価の季節性アノマリー(1年周期の変動)に現れていると言えそうです。

※日経平均月別騰落率

https://www.dai-ichi.co.jp/market/anomaly/monthly_ratio.asp?kbshohin=etc&cdshohin=9101

※ダウ平均月別騰落率

https://www.dai-ichi.co.jp/market/anomaly/monthly_ratio.asp?kbshohin=etc&cdshohin=9102

※厚生労働省、統合医療情報発信サイトよりビタミンD

https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/10.html

これらの記事を読んだ後で、太陽黒点数のグラフと予測ラインを見ますと色々考えさせられてしまいます。

※参考書籍

斎藤糧三、病気を遠ざける!1日1回日光浴 日本人は知らないビタミンDの実力

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