人口オーナス、人口税

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人口オーナスdemographic onus(重荷)は、人口統計的負荷demographic burden、人口統計的税demographic taxと呼ばれ、人口ピラミッドの標準的形状から少子高齢化への移行により、経済成長が阻害される状態を意味します。反対語は、生産人口の増加による経済成長の促進状態である、人口ボーナス、あるいは人口統計的配当demographic dividendです。人口ボーナス期は、黙っていても、何もしなくても、勝手に景気がどんどん良くなっていきます。逆に人口オーナス期は、放っておくと景気がどんどん悪くなります。

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第二次世界大戦後のベビーブームにより労働人口の増加による日本の高度成長期などが「人口ボーナス」の例であり、21世紀の少子高齢化社会が「人口オーナス」の例になります。

従属人口、つまり15歳未満と65歳以上の人口を、何人の生産人口(15歳~64歳の人口)で支えているかを示す、従属人口1人あたり生産人口が2を切ると「人口オーナス期」に入ったと言われます。日本は2005年頃から人口オーナス期です。

従属人口指数=従属人口÷生産人口×100で、日本も2050年には従属人口指数が100に迫る(つまり、1人の従属人口を1人の生産人口が支える時代に入る)と予測されています。

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従属人口指数100の世界は、15歳から65歳までの生産人口1人で、15歳未満と65歳以上の人口を1人養うという図式になります。1人で2人の生活を面倒みるということです。手取り収入が従属人口扶養のために半分になるということです。

この人口税を払うために、生産性革命の果実が活用されることになるでしょう。生産人口不足という必要に迫られて、自動化、機械化、AI化が更に進行します。人口税と生産性革命の競争になるわけです。しかしまあ、この競争は、生産性革命の勝利に終わるのではないかと思います。限界費用ゼロになるので、生産人口が働かなくても大丈夫というわけです。

ただ、この勝利の瞬間まで、2050年に向けて、人口税と生産性革命の競争は様々な軋轢を生み、人々は様々なストレスにさらされることになるでしょう。その時、この話を思い出して、「いずれ生産性革命が勝つ!だから心配するな!」と肝に銘じる必要がありますね。

※参考記事

棺型人口ピラミッド

未来の年表

敬老の日に人口問題を考える


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