環境発電エネルギーハーヴェスティング

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環境発電エネルギーハーヴェスティングは、自然環境に存在するエネルギーを取り出して活用できるようにする技術です。太陽光エネルギーを活用するソーラー発電が主な例ですが、それだけに留まらず環境に存在する微弱電波とか微弱静電気を活用する例もあります。帆船が風だけで進むのと同じ様に、誰もが環境エネルギーだけで日常生活のエネルギーを賄えるようになるという話です。帆船が風上にも進むことができるタッキングという仕組みを御存知でしょうか。風上にも進めるということは、これはもう、360度あらゆる方向に、動力レスで進むことができるということを意味しています。

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富士通と首都大学東京の共同研究では、微弱なマイクロ波を電力に変換できる高感度のナノワイヤバックワードダイオード整流素子が開発されています。ダイオードはPN接合で電気の流れを一方向に堰き止めますので、エネルギーを電気に変えることができればそれをダイオードですくい取って使うことができるのです。太陽電池パネルもPN接合から電気を取り出す方式です。開発されたダイオードは、従来のショットキーバリアダイオードの10倍以上の感度を世界で初めて達成し、アンテナで自然環境の微弱電波をキャッチして、ダイオードで電力を取り出せるとのことです。取り出した電力をコンデンサや電池に溜めて、微少電流用途に活用することができます。例えば、温度や湿度や気圧を測定して、定期的に電波で送信する気象センサーをバッテリーレスの独立電源で駆動することができます。これは現在太陽光発電で運用されていますが、太陽が当たらないような場所でも運用できるかもしれないということになります。

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シチズンは世界初、静電気の現象を利用した「静電発電」と、「静電モーター」の2つの機能を持ち合わせた「静電誘導時計ACCUTRON(アキュトロン)」を開発しました。

静電誘導は、帯電した物に導体(電気を通す物質)を近づけると、帯電した物とは逆の極性の電荷が導体表面に引き寄せられる現象です。

腕を振ると、5時、7時位置にある静電気を帯びた発電タービンが腕の動きに連動して高速回転することで電力が生まれます(静電発電)。その電力は充電池に蓄えられ、時分針を駆動させると共に、10時位置にある静電気を帯びたタービンを有する静電誘導モーターを回転させて、秒針は滑らかなスイープ駆動で運針します。

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リコーのSMART R MOUSE は、室内光の発電だけで運用できるワイヤレスマウスです。高効率の固体型色素増感太陽電池と、充電効率の高いリチウムイオンキャパシタを組み合わせた技術革新です。このマウスは充電不要で製品寿命が尽きるまで、例えば10年間とか使えてしまうわけです。

将来的に、「充電不要なスマホ」が出現するかもしれないのです。勿論、パケット代も不要です。生産性革命でスマホの本体代金も格安となり、広告費で賄えば無料配布も可能になります。完全無料無充電のスマホが使えるようになるというお話です。

※参考記事

PN接合


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