クリスパーノーベル賞で生化学を学べ

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2020年のノーベル化学賞は、遺伝子編集のクリスパーキャス9酵素を発見した2人の女性科学者に与えられました。

ノーベル賞は最高の教科書です。歴代のノーベル化学賞・医学生理学賞を並べれば、DNAの発見から遺伝子配列の読み取り、遺伝子編集へと、生化学の歴史を時系列に学ぶことができます。ノーベル賞とノーベル賞の間にも幾多の重要なイノベーションが起きており、「なぜこれがノーベル賞じゃなかったのだろう」と考えることにより更に理解を深めることができます。

シンギュラリティ革命は、ICT情報通信とバイオの二重革命です。AI機械学習と同じ位に、バイオ革命も学ぶ必要があります。

1933年、トーマス・ハント・モーガン、 遺伝における染色体の役割に関する発見(細胞の核の染色体に遺伝情報が存在していることを突き止めた)

1944年、アベリーの実験、DNAが遺伝物質であることを証明。ノーベル賞は受賞しなかった。

1952年、ロザリンド・フランクリン、DNAの二重らせん構造を示すX線回折写真photo51撮影。ノーベル賞は受賞しなかった。

1959年、セベロ・オチョア、アーサー・コーンバーグ、リボ核酸およびデオキシリボ核酸の生合成機構の発見(DNAポリメラーゼの発見)

1962年、ジェームズ・ワトソン、フランシス・クリック、核酸の分子構造および生体の情報伝達におけるその重要性の発見(DNA二重らせん構造の発見)

1968年、ロバート・ウィリアム・ホリー、ハー・ゴビンド・コラナ、マーシャル・ニーレンバーグ、遺伝暗号とそのタンパク質合成における機能の解明(DNA配列とアミノ酸の対応関係を解明、コドン表の起源)

1978年、ヴェルナー・アーバー、ハミルトン・スミス、ダニエル・ネイサンズ、DNAを切断する制限酵素の発見、遺伝子編集の起源となった。

1979年、ロジャー・スターデン、バラバラのDNA配列をコンピューターで繋ぎ合わせるショットガンシーケンス法の開発、ノーベル賞は受賞していない。

1980年、ウォルター・ギルバート、フレデリック・サンガー、遺伝子配列の読み取り方法を発明

1993年、キャリー・マリス、PCR法の開発(特定のDNAを人工的に増幅して感染の有無を検出)

1996年、ポール・ニレン、パイロシーケンス法の開発(次世代シーケンサーNGSの起源)、ノーベル賞は未受賞

2007年、マリオ・カペッキ、マーティン・エヴァンズ、オリヴァー・スミティーズ、ES胚性幹細胞を用いてマウスへの特異的な遺伝子改変の導入のための諸発見(リバースジェネティクスの開発)

2020年、エマニュエル・シャルパンティエ、ジェニファー・ダウドナ、ゲノム編集手法の開発(クリスパーCas9酵素の発見)


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