治療アプリ保険適用承認

Screenshot of cureapp.co.jp

cureapp の禁煙治療アプリが、国内初の保険適用が承認されました。

https://cureapp.com/

https://cureapp.blogspot.com/

医師の処方箋で患者が利用すると、保険点数が付いて健康保険から医療費が支出されるということです。2014年に薬事法が医薬品医療機器法に改正されたときに、「医療機器プログラム」が医療機器の項目に追加され、治験によるエビデンス次第で保険承認される道が拓かれていましたが、とうとうその第一号が承認されたということです。

※公益財団法人医療機器センターの医療機器プログラム規制紹介ページ

http://www.jaame.or.jp/mdsi/program.html

医療機器プログラムを操作することにより患者の行動変容を促し、それが病気などの治療に繋がることが期待されているのです。ほかにも「高血圧」や「不眠症」対策のアプリも開発や治験が進行中のようです。

厚生労働省から「プログラムの医療機器への該当性に関する基本的な考え方について」という通知が発行されておりますので、プログラム医療機器の定義を引用します。

プログラム医療機器は、有体物の医療機器と同様に、改正法による改正後の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(昭和 35 年法律第 145 号。以下「医薬品医療機器等法」という。)第2条第4項
の医療機器の定義に基づき、汎用コンピュータや携帯情報端末等にインストールされた有体物の状態で人の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること又は人の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされているものである。
ただし、「薬事法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令」(平成 26 年政令 269 号)による改正後の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令」(昭和 36年政令第 11 号。以下「新施行令」という。)別表第 1 により、プログラム医療機器については、機能の障害等が生じた場合でも人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないものは、医療機器の範囲から除外されているため、該当性の判断に当たっては、この影響を勘案することが必要である。
無体物である特性等を踏まえ、人の生命及び健康や機能に与える影響等を考慮し、プログラム医療機器の該当性の判断を行うに当たり、次の2点について考慮すべきものであると考えられる。
(1)プログラム医療機器により得られた結果の重要性に鑑みて疾病の治療、診断等にどの程度寄与するのか。
(2)プログラム医療機器の機能の障害等が生じた場合において人の生命及び健康に影響を与えるおそれ(不具合があった場合のリスク)を含めた総合的なリスクの蓋然性がどの程度あるか。
以上を踏まえ、汎用コンピュータ等に組み込まれて使用されるプログラムのうち、(1)医療機器に該当すると考えられるプログラム及び(2)医療機器に該当しないと考えられるプログラムの代表的なものについて、別添のとおり例示する。

医療機器プログラムは、やがて、AIプログラムへと発展していくことが予想できます。世界初の保険適用アプリは、2010年のwelldoc社の糖尿病治療アプリbluestarです。糖尿病の健康指導を自動化するアプリです。

Screenshot of www.welldoc.com

スマホアプリのソフトウェアを治療に活用しようとする分野を、「デジタルセラピューティクス(DTx)、デジタル薬」と言います。なぜ飲み薬でもない、ただのスマホアプリが保険承認されるのかといえば、それは「確かに効能があり」「治療費抑制になる」からです。だとすれば、この流れは誰にも止められないということになります。「確かに効能があり」「治療費抑制になる」ならば、「AIアプリ」の保険適用を拒否する理由が無いのです。AIアプリの問診能力が向上し続けた先にどのような未来が待っているか、医学部を目指す高校生や医学部1年生の各自に良く考えて頂きたいと思います。


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