真実を知る方法

松本和也、イエズス会がみた日本国王

アメリカの大統領選挙でトランプ大統領が選挙不正を訴えてバイデン勝利を伝える報道を全て「フェイクニュースだ」と断じているようです。実際アメリカ人の3分の1近くはトランプ大統領の言っていることを信じているのだそうです。選挙の不正があって、ウソの当選者が大統領になるなんて悪夢ですね。もう何が真実なのか分からなくなってしまった時代を我々は生きているのかも知れません。

これからのシンギュラリティAI革命の時代にも様々なウソがはびこることでしょう。テレビが言うことも、新聞が報じることも、ネット記事も、友達が言うことも、先生が言うことも、家族が言うことも、全部ウソかもしれないのです。ウソといいますか、間違ってるかもしれないのです。ちょっとジョージオーウェルのディストピア小説1984みたいな状況が現実化しているわけです。

この著者の方は、戦国時代の日本の権力構造に関する真実を知るために、宣教師が書いた記録を原文で読みたいと思い、ポルトガル語を勉強し、ポルトガル語の「くずし字」を勉強し、ポルトガルの首都リスボンに行き、リスボン国立図書館に行って、400年間誰も読んでいなかった”Nobunanga”の文字を発見して感動したと言います。足で稼いで掴んだ真実ですね。

本能寺の変の4か月前のイエズス会報告書簡を引用します。

『これらの地方<畿内>をすでに何年も支配してきた信長という領主は、領していた一小国から短期間のうちに日本の全君主国の君主になりました。現在、三十四か国を従えており、他の<国>にも手を伸ばし、さらに残るすべての<国々>の領主であることを望んでおります。もしこれらの坊主たち<本願寺など>がいなかったならば、彼はすでに日本全国の君主になっていたでしょう。・・・都の市は、別の機会ですでに記したように、日本全国の本来の君主である内裏が住んでいる地でありますが、今では彼の支配は中身が失われ、形だけ残っているにすぎません。とはいえ、この市は日本全国の政庁であり、中心であります。・・・信長は都および天下(日本人は日本の君主国をこのように呼んでおります)の君主でありますが、普段は近江国安土山の市に住んでおります』

「神君家康公」という言葉がありますが、日本では250年以上続いた徳川幕府の時代にいわゆる「徳川史観」というものが出来上がってしまい、徳川幕府以前の歴史状況については真実が分かりにくくなってしまっていると言わざるを得ません。そのような場合でも、徳川史観の影響を受けない第三者資料、つまり、ポルトガル人宣教師の本国への報告書簡であれば、真実の一端が垣間見えるかもしれないと考えたわけです。著者は、外国人であるがゆえに日本の事情を誤解していたり間違っている認識も見られるとも述べておられますが、事実誤認があるならばどうして宣教師はそのように誤解したのか考察することが役立つのではないかと述べておられます。

つまり、徹頭徹尾かんがえることが大事というわけです。なぜそのように主張されているのか、考え抜く必要があるわけです。そして、自分自身の足で現地に出かけて行って、自分の目でみて、自分の頭でそれを考えること、これが大事になるわけです。wikipediaの記事でも、学術論文でも、すべてゼロベースで考えていく必要があります。

ゲームチェンジの時代ですから、旧来のルールは通用しなくなり、新しいゲームのルールが世界全体を支配することになるのです。新しいルールは誰もまだ見ていないので、誰にも分りません。新しいルールについて、色々な人が色々なことを言うでしょう。しかも、その色々な人の様々な意見は相互に矛盾しているのです。つまり、アメリカ大統領選挙みたいに、両立しないような意見が世界を二分する危険だってあるのです。

この本は、そのような時の道しるべになるでしょう。著者の行動を自分自身に置き換えて、自分が知りたいことを知るには如何すれば良いのか、著者の行動に思いを馳せて、自分自身も行動していくことが必要になるのです。さあ、みなさんも第一歩を踏み出しませんか?


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