※セガプレスリリース
https://sega-entertainment.jp/Portals/0/pdf/archive/【GSEリリース】株式取得および社名変更のお知らせ.pdf
ゲーム事業のセガが、ゲームセンター運営から完全撤退することを発表しました。従来よりゲームセンターを運営している株式会社GENDAに全持ち株を譲渡したのです。セガとしては収益を上げていくのが困難という経営判断があったのでしょう。餅は餅屋だからゲーセンの専門の会社に任せるという趣旨かもしれません。
勿論ゲーム事業の将来が暗いという判断ではありません。コロナ禍でゲームの「やり方」が変わったのかもしれません。5G通信やPS5など、技術の進化で、メタバースのリアリティも向上し続けています。
※東急不動産プレスリリース
https://www.tokyu-fudosan-hd.co.jp/news/pdf/2757.pdf
こちらも事業譲渡です。東急ハンズの親会社である東急不動産が東急ハンズを運営する子会社の全株式を株式会社カインズに譲渡するのです。東急ハンズ単体では収益を上げるのが困難になってきたのでカインズとの合併により事業の継続(新たな価値の創造)を図るという趣旨の様です。これも、餅は餅屋ということで、専門家に任せるという判断でしょう。
上記のセガのニュースも、東急のニュースも、いずれも「これからの店舗事業の難しさ」を示しているものです。セガのゲームセンターは何年前からあるのか知りませんが、まあ30年以上は継続しているでしょう。東急ハンズだって1978年オープンですから40年以上続いてきたわけです。30年とか40年とかの歴史が終わったのです。30年とか40年ぶりの歴史の大波が来ているということです。不動産からインターネットへの移行が続いているということですね。
不動産から逃げろ!ということですね。
但し注意が必要です。上記のニュースを注意深く見れば分かるのですが、「廃業ではなくて事業譲渡」になっているんです。不動産(リアル店舗)から逃げる人もいれば、新たに不動産(リアル店舗)を取得する人も居るのですね。しかも、この逃げた人(売り主)と、取得した人(買い主)は、昔の売主や買主とは違います。21世紀の生き残り策を模索した結果として、新しい不動産との付き合い方を決定しているのですね。
ですから、本記事のタイトル「不動産から逃げろ」は正確な表現ではないかも知れません。正しい表現は「不動産との付き合い方を変えろ!」と言うことになるかもしれません。都心一等地に店舗を設置すれば自動的に儲かるような時代は終わったということです。従来の常識は捨てなければなりません。店舗をやり続けることは可能だけど、新たなステージの店舗にする必要があるということでしょう。メタバースにも対応できるような、メタバースとも両立できるような店舗を考えなければ生き残れないということです。生半可なことでは店舗は続けられないでしょう。だから、普通の人にとっては不動産から逃げろ、というのはほとんど正しい選択になるでしょう。
我々自身の生活との関係はどうなるでしょうか。例えば、学校を卒業して会社に就職して30年ローンを組んで新築一戸建てを購入するようなライフスタイルは終わったと考えるべきかもしれません。不動産投資で儲けようという考えも、損益分岐点が移動していくと考えるべきでしょう。どのように考えるべきか、難しいところですが、例えば、次のように考えてはどうでしょうか。
「都心一等地であっても不動産からの収益は半分になる。価格も半分になる。」
こんな仮説はどうでしょうか。100年後は分かりませんが、これから数十年の仮説です。価値や収益が半分になっても構わないと思える価格で、不動産に投資したらどうでしょうか。半分になったら困ると考える人も居るかもしれませんが、これは生産性革命の結果なので、生活費も半分以下になると考えれば、問題ありません。不動産収益が半分になるということは、自分自身が生活する不動産コストも半分になるということなのです。
そして裏返しとなりますが、逆に、メタバースは「買い」ですね。どのようなメタバースに投資するのか、検討して下さい。
シンギュラリティ表
産業革命以前、20世紀と21世紀の違い、シンギュラリティの前後でどのように変わるのか、一覧表にしてみました。当然、就職先や投資先は右側の「新体制」に属する企業を目的とすべきでしょう。左側の「旧体制」企業は、少しずつでも右側の方に移行できるように努力し続けなければ生き残れません。項目 | 中世 | 旧体制 | 新体制 |
---|---|---|---|
西暦 | 19世紀まで | 20世紀 | 21世紀 |
価値の源泉 | 宗教 | 人間中心主義 | データ主義 |
政治 | 王権神授説 | 議会制民主制 | デジタル民主制 |
経済 | 貨幣経済(金利なし、聖書によるウスラ禁止) | 資本主義(金利あり)、成長経済 | シェアリングエコノミー(金利なし)、定常経済 |
人口 | ほぼ一定 | 増加(ベビーブーム) | 減少(少子高齢化) |
物価 | ほぼ一定 | 上昇(財産の囲い込み) | 下落(協働型コモンズを無償利用) |
通貨 | 政府発行の法定通貨(国際取引は未熟) | 政府発行の法定通貨(基軸通貨はドル) | 暗号通貨(主要通貨はビットコイン) |
金融 | 小規模融資 | 銀行融資 | クラウドファンディング |
企業 | 特許会社 | 大企業ビジネス株式会社 | 小規模、非営利団体NPOボランティア、ソーシャルビジネス、分散型自律組織DAO(decentralized autonomous organization) |
労働 | 奴隷的労働 | 雇用契約の必要あり。正社員パーマネント契約。給与は低いが多数雇用される。 | 必要ないがやるなら単発の仕事(ギグ)。パートタイム業務委託契約。給与は高く小数精鋭。 |
生産 | 手工業から蒸気機関への移行 | 工場でNC加工 | 家庭で3Dプリンティング |
収入 | 自営収入 | 給与、キャピタルゲイン | ベーシックインカム |
コンピューター | 機械式計算機 | ノイマン型(プログラムで動く)、デジタル古典コンピューター | データ駆動型、ディープラーニング型(NN機械学習で動く)、量子コンピューター |
インターネット | なし | クライアントサーバーモデル(中央集権)、web1.0&2.0 | ピアツーピアによるブロックチェーン(分散台帳)、web3.0 |
流通・小売業 | 小規模小売業 | デパート百貨店、商店街、グローバル化 | 百円ショップ、無人コンビニ自動販売機、ネット通販ロボット配送、ローカル化、eコマース、Qコマース、ダークストア |
モノとヒトの関係 | 所有 | 所有 | アクセス |
情報 | 非公開 | 紙媒体を購入 | インターネットで無償取得 |
著作権・知的財産権 | 未成熟 | 保護 | 廃止(海賊党運動) |
エネルギー | 木炭、石炭 | 有料の化石燃料を給油 | 無料の太陽光エネルギーを充電 |
自動車 | 馬車 | 内燃機関エンジンの自動車を購入して人間が運転 | 電気モーターのカーシェアリングをコンピューターが自動運転, MaaS |
衣類 | 手工業 | 背広、プレタポルテ(高級既製服) | wear something→ユニクロ,ZARA,H&M,Gap |
食料 | 自給自足 | 高価(働かざる者くうべからず) | 安価(限りなくゼロ、無料に近づく) |
住居 | 代々相続 | 住宅ローンで新築住宅を購入 | 空き屋に無償で入居 |
不動産 | 価値の源泉 | 価値の源泉 | 価値無し(VR・AR・デジタルツインへ移行) |
ビジネスの主戦場 | 王宮 | 大都市 | メタバース(ネットワーク上の仮想世界)、リアルサイトは辺境 |
家族 | 大家族 | 夫婦と子供2人 | 単身世帯 |
主要団体 | 封建国家 | 国民国家 | NGO,NPO |
必要な勉強 | 技能型、親方に弟子入りする | 暗記型、教科書を習得する | 討論型、答えの無い問題を切り拓く |
資格・学歴 | 形成期 | 価値があるし必要 | 価値は無く不要(学びは必要) |
飲食店・店舗 | 実店舗 | 実店舗、多様性 | 無人コンビニへ集約、ゴーストキッチン、クラウドキッチン |
主要議題 | ルネッサンス | 開発・発展 | 持続可能性SDGs |
世界観 | 神話 | 開発の物語 | 新しい物語 |
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