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新しい物語「ガンディー経済学」

新しい物語

イスラエルの歴者学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏が「21レッスン」で提示した未来の物語、「新しい物語」の模索が世界中で行われていますが、その明確な答えはコンセンサスに至っていません。

森永卓郎、グローバル資本主義の終わりとガンディーの経済学

そんな状況において、新しい物語の候補を示す本がありましたので御紹介したいと思います。勿論、新しい物語は、人類のコンセンサスで作り上げられるものであり、30年後、50年後から振り返って、「こうなったね」と認識できるものであり、将来を予測することは限りなく不可能なことであり、ナンセンスとさえ言えるかもしれないのですが、21世紀の子供達にとっては、自分達が巻き込まれる未来のことであり、そのような悠長なことは言っていられないのです。管理人の読解を提示致しますので各自本を手に取って読んでみてください。


第1章、壊れ続ける地球

2018年西日本豪雨や2019年台風15号など台風の凶暴化は地球温暖化が原因である。日本政府は石炭火力や原子力など既存エネルギーに依存する政策を変えず、再生可能エネルギー推進に消極的であると世界から批判されている。

第2章、壊れ続ける庶民の暮らし

アメリカでは人口の1パーセントにあたる富裕層が国民所得の20パーセントを独占していると言われている。国際NGOオックスファムは世界の富豪トップ8の資産額が下位50パーセントの資産額とほぼ同じだとする報告書を発表した。OECDの相対的貧困率調査では日本はアメリカに次ぐ貧困率である。格差拡大が続いている。グローバル資本によるギグエコノミー化が進展している。

第3章、原因は資本主義

地球環境破壊の主因は資本主義である。ダボス会議でも、いまの資本主義のありようが問われている。トマピケティの「21世紀の資本」でも、r>gという資本収益率が常に経済成長率を上回ることが報告されている。

第4章、ハードランディングは避けられない

ガルブレイスは「バブルがいつ弾けるのか、それを予測することは誰にもできない。ただ、バブルは必ず崩壊する。」と言った。新型コロナウイルスや首都直下地震などにより、今回のバブルも崩壊することは避けられない。中国はリーマンショック時に巨額の財政出動で世界経済を救ったが今回はその能力は無いという見解がある。

第5章、人と地球を救うガンディーの経済学

インド建国の父ガンディーは、自由貿易や近代工業化に反対したことで知られている。スワデーシー運動は、隣人を助ける、地元産品を奨励する運動であり、エシカル消費の運動である。それはSDGsにも取り入れられている。農業はアート、自分の食べるものは自分でつくるという発想が必要だ。日本でモノづくりを継続するにはグローバル競争と競合しないフルオーダー作品を目指せば良い。商業も、画一的なチェーン店や巨大モールの対極的な個人商店を目指すべきだ。飲食店なら、佰食屋のビジネスモデルを研究してみると良い。エネルギーは小規模分散にすべきだ。豊かな生活環境を重視する富山県舟橋村の取り組みを研究すると良い。

第6章、新しいライフスタイル

老後2千万円問題を見て分かるように大都市に住み続けるライフスタイルは困難である。著者も実践している大都市の郊外「トカイナカ」暮らしであれば公的年金の範囲内で生活設計も可能である。さらに「田舎暮らし」も検討してほしい。毎年2万人の若者たちが農山漁村に移住している。

第7章、MMTとベーシックインカム

MMT現代貨幣理論は、財政均衡主義にこだわる必要は無く通貨発行益を活用すべしという主張であり、著者は、それでベーシックインカムを配布すべきと考える。ベーシックインカムにより地方移住が促進され、資本主義の暴走から地球を守り、人権を守る社会を作り出すことができる。


著者の森永卓郎さんは、テレビやラジオで面白いコメントで笑顔を振りまいてくださるエンターテイナー学者さんですが、現代社会の矛盾を打破するには、ガンジーの経済学に学び、MMTとベーシックインカムを推進すべしと論じておられます。

これもまた、「新しい物語」を模索する試みのひとつでしょう。読んでいて、ジェレミーリフキンの「限界費用ゼロ社会」の「豊饒の角」「新ガンジー主義」を思い出しました。

シェアリングエコノミー、限界費用ゼロ社会

WTI原油マイナス価格

ダウ平均もナスダックも日経平均も史上最高値とか30年ぶり価格を連発していますが、景気循環の波は避けられないでしょう。主要国の政府と中央銀行は、景気循環の波を軽減するよりも、目下の経済対策を優先させる政策を取り続けています。

その必然の帰結として、次のバブル崩壊=大恐慌も避けられないことになるわけです。シンギュラリティを乗り越えるためには、その手前で「大恐慌を乗り越える」必要があるということになります。

ガンジー主義は、最初から、そのバブルの波に乗らない、という戦法を取るのだと思いました。田舎暮らしで自給自足経済であれば、バブル崩壊関係無いですね。

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jetson nano CPU&GPU mining

jetson nano

日経Linux 2021年1月号

NVIDIAのAI 開発ボード Jetson nano で、CPUとGPUの同時マイニングをやってみました。

128基のCUDAコアを実装したMaxwellアーキテクチャのGPUを搭載した、ARM Cortex-A57(4コア/1.48GHz)のCPUを積んだシングルボードコンピューターSBCです。

Screenshot of www.nvidia.com

まずccminerをインストール。

$ cd /usr/src と入力し、

$ git clone https://github.com/tpruvot/ccminer.git

とレポジトリをダウンロードしてきて、

https://github.com/tpruvot/ccminer/blob/windows/INSTALL

こちらの説明に従って実行ファイルをビルドします。

次にcpuminer-multi をインストールします。

$ cd /usr/src と入力し、

$ git clone https://github.com/tpruvot/cpuminer-multi.git

とレポジトリをダウンロードしてきて、

$ cd cpuminer-multi と入力し、

$ ./build-linux-arm.sh と入力するだけです。

CPUが毎秒200Kハッシュ、GPUが毎秒700Kハッシュ、合計して毎秒0.9Mハッシュとなりました。電気代は約10Wです。

CPU使用率は、GPU用のccminerが5.9パーセント、CPU用のcpuminer が390パーセントでした。コアが4つあるので390パーセントなんですね。

実はslash pool とか nice hash にアカウントを作成してBTCマイニングにも挑戦したのですが、CPUでもGPUでもハッシュパワーが弱すぎて話になりませんでした(撃沈)。difficulty too low というエラーが出て採掘できません。かすりもしないというわけなんです。slash pool の説明には、次のように書かれていました。

Screenshot of help.slushpool.com

1. Get suitable hardware
✓ Bitcoin can be efficiently mined with: ASIC (SHA-256 algorithm)

✘ Bitcoin cannot be efficiently mined with (unsupported): GPU, CPU, mobile phone

While mining with unsupported hardware might be possible, it will almost certainly be unprofitable. Also, keep in mind that our support team will not be resolving issues related to unsupported hardware.

なんと、ビットコインはCPUでもGPUでも掘れませんよと最初から注意書きされてるんですね。GPUで掘れないってどういうこと?と思いましたがやってみて分かりました。

-fオプションで強制的にdifficulty を下げても同じです。もうBTCのマイニングはASIC(専用IC)の世界に完全に移行しているということなんですね。こういうのも実際にやってみないと実感できないので良かったです。

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大学生になったらウィトゲンシュタインを読め

大学受験を突破した人へ、おめでとうございます!大学に入ったら、専攻の勉強は勿論頑張るにしても、それとは別に色んな本を読んで下さいね。

そしてもちろん、ウィトゲンシュタインも読んで下さいね。管理人の学生の頃はヴィトゲンシュタインと呼んでいたのですが、最近はウィトゲンシュタインというのですね、時代が変わったものです。大学生協の書籍部にウィトゲンシュタインが平積みで、爆売れしていたのを思い出します。こんなにウィトゲンシュタインが売れる本屋、日本ではここしかないやろ、と思いましたね(笑)。

言語の性質や、言語との格闘は、それはもう、21世紀のシンギュラリティ革命でも生き残るための重要な武器を与えてくれます。ウィトゲンシュタインは武器なんです!

とりわけ、「言語ゲーム論」については、一顧に値する考え方だと思います。東洋思想との親和性も高い言語ゲーム論、日本人は比較的理解しやすいはずなんですが、西欧文明にどっぷり浸かっている現代日本人には少し難しいかもしれません。

ウィトゲンシュタイン全集8、哲学探究第一部

以下、「哲学探究」からの引用をいくつか御紹介いたします。

「言語ゲーム」という用語は、ここでは、言葉を話すということが活動の一部分、あるいは生活形式の一部分であることを際立たせるべきものである。(ウィトゲンシュタイン全集8、第23章)

命令し、質問し、語り聞かせ、おしゃべりすることは、歩き、食べ、飲み、遊ぶことと同様に、我々の自然誌に属している。(ウィトゲンシュタイン全集8、第25章)

哲学者たちがある言葉を用いて「知識」、「存在」、「対象」、「自我」、「命題」、「名」といった言葉を用いて、物事の本質を把握しようとしているとき、人は常に次にそのように問わなくてはならない。いったいこの言葉は、その故郷となる言語のなかで、実際にそのように使われているのか、と。我々は、これらの言葉を形而上学的な使い方から日常的な使い方へと連れ戻す。(ウィトゲンシュタイン全集8、第116章)

なんでこんなに切れ味良く言語と我々自身の思考を分析できちゃうのか、不思議でなりません!溜息が出ちゃいますよね!

言語ゲーム Sprachspiel のspiel というのは、「遊び」という意味もあるんだそうです。「言語遊び」、「言葉遊び」ですね。哲学者の論文は言葉遊びに過ぎないと言っている訳です。我々は言葉の中で生活しているのであり、言葉が無いと考えることができないということをシンプルに提示してくれています。今は、大学1年生向きの上記のような素晴らしい本も出ているんですね。素晴らしい時代です。是非読んでみましょう。