シンギュラリティとは

『Technological Singularityシンギュラリティ』は、英語で『技術的特異点』という意味で、米国の人工知能研究者レイモンド・カーツワイルが提唱する、2045年にコンピューターの知能が人類を超えて、「強いAI」が出現し、社会全体に変革をもたらすという予言です。この予言を信じる人を singularitarian シンギュラリタリアン、また、予言を主張することを singularitarianism シンギュラリタリアニズムと言います。

シンギュラリティに関する書籍のリスト

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人類の科学技術が特異点を迎えた時に、どのような社会変革が起こるのか、米国ではシンギュラリティ大学という教育機関(現在のところ校舎も学位も無いネットコミュニティー)が組織され毎日議論されています。シンギュラリティをもたらす技術も影響に関する考察も、主に米国で生まれています。我々日本人は、英語を厭わず情報収集し、考えていかなければなりません。英語で考えましょう。

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社会の変革について、米国の文明評論家ジェレミー・リフキンは、「極限生産性」による「限界費用ゼロ社会」が出現すると予言し、これを第三次産業革命と呼んでいます。第一次産業革命が外燃機関、第二次産業革命が内燃機関であったのに対し、第三次産業革命は電気自動車で牽引されると予言されています。世界各国で、内燃機関の販売禁止時期が政策合意されつつあります。日本は内燃機関で成功体験があるためか、対応が遅れている様子です。

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極限生産性とは、技術革新によって生産過程の効率化が極限に達し、あらゆるモノやサービスの生産原価が限りなくゼロに近づくということです。「限界費用」というのは、生産単位を1つ増加させたときの総費用の増加分、つまり総費用を生産量で微分したときのプラスの値が限りなくゼロに近づくということです。太陽光を根拠として、エネルギーも無料になり、無料エネルギーで動くロボットが食料や衣類や住居を生産し、限りなく無料に近づきます。我々は、太陽の光を浴びるのと同じように、無料の住居に住み、無料の衣類を纏い、無料の食料を食べるでしょう。人生のうち働く期間はどんどん短くなり、人生のほとんどを大学のサークル活動のようなことをして過ごすでしょう。

天然資源が豊富なレンティア国家では、これに近い生活が既に行われています。レンティア国家では、天然資源による収入が、シンギュラリティの恩恵の代わりに、人々の生活を支えているのです。また、我が日本でも、一生就労することなく収入を得て生活している不労所得者の人口が少しずつ増えていますね。不動産収入、株式配当収入などによるリタイア生活です。

ジェレミー・リフキンは、限界費用ゼロ社会において、従来型資本主義市場経済は、経済の主役の地位を降りることになると予言しています。生産性を高める資本主義の競争が極限に達し、やがてゴールに到達するということです。例えば、21世紀の我々にとって、「わりばしの生産」や「つまようじの生産」は収益を上げられるような事業と言えるでしょうか。答えは勿論ノーです。割り箸や爪楊枝を手作りしても、社会的に何の価値もない行為ということになってしまいます。ジェレミー・リフキンは、2009年コモンズ経済学で女性初のノーベル経済学賞を受賞したエリノア・オストロムの研究が参考になると主張しています、また、インド独立運動を主導したマハトマ・ガンジーの「スワデーシー」という自宅や近隣地域での大衆による地元生産方式が参考になると主張しています。彼は、新しい経済の形を、シェアリングエコノミーと呼んでいます。シェアリングエコノミーでは、「所有」よりも「アクセス」が主役を務めると主張しています。IOT(モノのインターネット)技術によって様々なモノやサービスへのアクセスが容易になり、所有する必要性が無くなってしまうのです。

※参考ドキュメンタリー映画、ジェレミーリフキンが出演している「パワートゥーザピープル」

https://en.wikipedia.org/wiki/Post-capitalism

シンギュラリティ後の世界では資本主義や新自由主義も従来の形態を維持することはできないと予想されています。日本では経済学者水野和夫が、21世紀の先進国のゼロ金利はフロンティアが消失して成長が終わった証であると主張しています。「資本主義には始まりもあれば終わりもある」、言われてみれば当たり前のことですが、資本主義市場主義経済の中に生まれ育った我々にとって、なかなか理解しにくい事態です。投下資本の回収、貸付金の利率、これらのことは自明の公理のように我々の脳裏に焼き付いているのです。水野和夫は、オーストラリアの国際政治学者ヘドリー・ブルの「新中世主義」を引用し、「より速く、より遠く、より合理的に」という近代の行動原理が行き詰まっているなら、「よりゆっくり、より近く、より寛容に」という中世の行動原理を見習う必要があるだろうと予想しています。

シンギュラリティの前後で人間社会がどのように変化するか、当サイトの見解を表にまとめてみました。ブックガイドで御紹介する本を全部読んで頂ければご理解頂けると思います。シンギュラリティ年表も御案内いたします。西暦2012年から、シンギュラリティの一部は既に始まっており、ものすごいスピードで伝播していることが分かります。

2012年は奇跡の年

シンギュラリティ表

20世紀と21世紀の違い、シンギュラリティの前後でどのように変わるのか、一覧表にしてみました。当然、就職先や投資先は右側の「新体制」に属する企業を目的とすべきでしょう。左側の「旧体制」企業は、少しずつでも右側の方に移行できるように努力し続けなければ生き残れません。
項目旧体制新体制
西暦20世紀21世紀
価値の源泉人間中心主義データ主義
経済資本主義(金利あり)シェアリングエコノミー(金利なし)
人口増加減少
物価上昇(財産の囲い込み)下落(協働型コモンズを無償利用)
通貨政府発行の法定通貨(基軸通貨はドル)暗号通貨(主要通貨はビットコイン)
企業大企業ビジネス株式会社小規模、非営利団体NPOボランティア、ソーシャルビジネス
労働雇用契約の必要あり。正社員パーマネント契約。必要ないがやるなら単発の仕事(ギグ)。パートタイム業務委託契約。
生産工場でNC加工家庭で3Dプリンティング
収入給与ベーシックインカム
コンピューターノイマン型(プログラムで動く)データ駆動型、ディープラーニング型(NN機械学習で動く)
インターネットクライアントサーバーモデル(中央集権)ピアツーピアによるブロックチェーン(分散台帳)
流通・小売業デパート百貨店、商店街百円ショップ、無人コンビニ自動販売機、ネット通販
モノとヒトの関係所有アクセス
情報紙媒体を購入インターネットで無償取得
著作権・知的財産権保護廃止(海賊党運動)
エネルギー有料の化石燃料を給油無料の太陽光エネルギーを充電
自動車内燃機関エンジンの自動車を購入して人間が運転電気モーターのカーシェアリングをコンピューターが自動運転, MaaS
衣類背広、プレタポルテ(高級既製服)wear something→ユニクロ,ZARA,H&M,Gap
食料高価(働かざる者くうべからず)安価(限りなくゼロ、無料に近づく)
住居住宅ローンで新築住宅を購入空き屋に無償で入居
不動産価値の源泉価値無し(VR・AR・デジタルツインへ移行)
家族夫婦と子供2人単身世帯
主要団体国民国家NGO,NPO
必要な勉強暗記型、教科書を習得する討論型、答えの無い問題を切り拓く
資格・学歴価値があるし必要価値は無く不要(学びは必要)
飲食店・店舗多様性無人コンビニへ集約
主要議題開発・発展持続可能性SDGs
世界観開発の物語新しい物語

シンギュラリティ年表

2012年は奇跡の年です。ディープラーニングニューラルネットワークによる画像認識エンジンが画像認識コンテストで初優勝した年であり、キャットペーパー論文が発表され、同時に遺伝子編集のクリスパーキャス9酵素が論文発表され、ビットコイン財団が設立された年です。シンギュラリティ革命の萌芽が全て出現し、もの凄い勢いで拡大し始めた年なのです。
シンギュラリティ年号起こった出来事
シンギュラリティ元年(2012年)DNNが画像認識コンテスト優勝。グーグルのキャットペーパー論文発表(教師無し学習だけでコンピューターが猫を認識できた)。音声認識ソフトgoogle now公開(apple siri は2011年公開)。クリスパーキャス9酵素の論文発表。ブロックチェーンを運営するビットコイン財団設立。
シンギュラリティ2年(2013年)カナダバンクーバーのWavesコーヒーショップに世界初のビットコインATMであるRobocoinマシンが稼働開始。NASA,Google,USRA(米国大学宇宙研究協会)が共同で、Quantum Computing AI Lab(量子コンピューターAI研究所)を設立。
シンギュラリティ3年(2014年)ケビン・エスベルトの遺伝子ドライブ論文発表。クリスパーキャス9を使って、クリスパーキャス9の遺伝子を組み込むことにより、種全体の遺伝子を操作できることが判明した。amazonがスマートスピーカーECHOを発売。
シンギュラリティ4年(2015年)DNNディープニューラルネットを用いた画像認識エンジンが人類のエラー率を下回った。中国で、ヒト生殖細胞の遺伝子編集実験。Google brain が ディープラーニング機械学習ライブラリTensorFlow のソースコードを無料公開。国連総会でSDGs採択。IPFSアルファ版リリース
シンギュラリティ5年(2016年)クレイグベンターの研究グループが、53万塩基対の人工細胞DNA合成に成功し、JCVI-syn3.0 ミニマルセル(最小細胞)と名付けられた。人工生命体(原核細胞)の誕生である。スイス連邦工科大学のソーラープレーンが世界一周飛行に成功。太陽光エネルギー時代の幕開け。DNNディープニューラルネットを用いたalphagoが世界戦で優勝経験のある韓国のトップ棋士イセドル9段に4勝1敗と勝ち越した。IBMが量子コンピューターのクラウドサービス IBM Quantum Experience を公開。
シンギュラリティ6年(2017年)DNNディープニューラルネットを用いた音声認識エンジンが人類のエラー率を下回った。機械学習を用いた囲碁AIソフトalphagoが囲碁チャンピオン中国の柯潔9段に3連勝し、将棋AIソフトponanzaが将棋名人に勝利した。Alibaba子会社Alipayが顔認証決済サービスを開始。
シンギュラリティ7年(2018年)DNNディープニューラルネットを用いた自然言語認識エンジンがwikipedia読解問題で人類の正答率を超えた。LIDARレーザースキャナを搭載した世界初の市販車アウディA8発売。遺伝子編集によりHIV感染しにくくなった赤ちゃんが中国で誕生。米国アリゾナ州フェニックスでwaymoの自動運転タクシー商用運転開始(運転手なし自動運転レベル4)。
シンギュラリティ8年(2019年)グーグルが量子超越性(量子コンピューターが特定課題においてシリコンなどの半導体による古典コンピューターの性能を超えていること)を実証。ビットコインで支払うことができるVISAデビットカードcoinbase cardサービス開始。IBMが量子コンピューターIBM Q System One発売。
シンギュラリティ9年(2020年)ロチェスター大学の研究グループは15℃で超電導状態を示す炭素質水素化硫黄化合物を発見し、常温超電導の扉を開いた。新型コロナウイルス対策として人工合成されたmRNAワクチンが実用化。
シンギュラリティ10年(2021年)braveブラウザ1.19.86がIPFSを初めて標準搭載した。