嶋中雄二氏の「第3の超景気」で、「中国経済の複合循環分析」のところで「ルイスの転換点」が紹介されていました。中国経済の専門家の間では、2010年前後の数年間に「ルイスの転換点」があったと見ている人が多いということです。
これは、イギリスのノーベル賞経済学者WAルイスによる、農村部から都市部への人口の流入により過剰だった労働力の供給が止まってくることによって次第に賃金が上昇しはじめるターニングポイントを示すという途上国経済の分析です。
日本では1960年前後に転換したと言われています。「集団就職」とか、「就職列車」とか、「高校3年生(舟木一夫)」の時代ですね。朝ドラで有村架純さんの「ひよっこ」がこの時代を描いていました。映画だと「ALWAYS三丁目の夕日」の時代ですね。日本も中国も、全ての途上国も、有限の人口と国土を持つ以上、ルイスの転換点と、高度成長から低成長への転換を避けることはできないということですね。当然、経済成長率は鈍化せざるを得ません。それは後戻りできない歴史の必然なのです。