http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/03/28/33.html
日本全体では2011年頃から人口減少社会に突入していますが、核家族化と単身世帯の増加により、世帯数のピークは2023年頃に到来し、それ以後は世帯数も減少に転じることになります。世帯数=必要な不動産の数ですから、世帯数が減れば不動産が余るということになります。景気変動などの外部要因を除いて、日本全体で遅くとも2024年から不動産価格の下落傾向が始まることになります。
余る不動産は、狭い不動産や、古い不動産、駅から遠い不動産ということになります。
※参考URL、総務省統計局の「統計Today No.9」
https://www.stat.go.jp/info/today/009.html
※参考URL、国立社会保障・人口問題研究所HP
http://www.ipss.go.jp/pp-ajsetai/j/HPRJ2018/t-page.asp
※東京都総務局統計部の人口予測HP
http://www.toukei.metro.tokyo.jp/kyosoku/ky-index.htm
これを東京都に限定して見ると、人口のピークが2025年と予測されており、世帯数は2035年がピークと予測されているのです。ということで、遅くとも2035年には東京都の不動産も長期下落局面入りするという話でございます。
人口推計や世帯数の推計は、平均余命や婚姻率や出生率から計算されるもので、推計といっても余り外れない計算です。この未来は必ずやってくるということです。
日本では明治維新以来「土地神話」というものが続いてきました。不動産は必ず値上がりするので「借金してでも買った方が得だ」、「不動産さえ買っておけば何とかなる」という考え方です。実際に、高度成長期や1980年代バブルの時代には、不動産を借金で買って、5年とか10年とか住んでから売却した場合に、買ったときの価格よりも高く売れたという事例が続出していたのです。クルマでも家電でも使えば使うほど価値が下がってしまうものですが、不動産だけは価値が下がらない特別の資産だったのです。
しかし、ここに来て、明治維新以来150年で初めての大変革がやってくるということになります。この変革は、日本人が誰も経験したことが無いので、実感を持って理解することは極めて困難です。銀行もゼネコンも不動産デベロッパーも、付随する日本社会全般が、この土地神話を前提に回っていたのです。それが逆回転を始めた時に、日本社会全般がどうなるか、考えることが必要です。実際に、ゼロ金利時代になって、都銀と地銀の収益構造が一気に転換させられました。このような転換が、銀行だけでなく、ゼネコンもデベロッパーも含めた幅広い業界で同時進行するということになるのです。これは不動産価格だけの問題ではないことが簡単に理解できるでしょう。
まとめ
2011年、日本全体の人口減少開始
2023年、日本全体の世帯数ピーク
2025年、東京都の人口ピーク
2035年、東京都の世帯数ピーク
※2022年1月31日追記
総務省統計局の発表によると、東京圏及び東京都は転⼊超過となったものの、転⼊超過数は2年連続の縮⼩となりました。東京都特別区部は、外国⼈を含む集計を開始した 2014 年以降初めての転出超過となっており、⽇本⼈についても 1996 年以来 25 年ぶりに転出超過となりました。 コロナ禍により前記の変化が前倒しされた形となります。
https://www.stat.go.jp/info/today/pdf/181.pdf
※参考書籍
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