日本で普通に教育を受けて、普通に仕事をして、普通にテレビをみて生活をしている限り、アメリカで尊敬を集めているカリスマ投資家達のことは認識することができないかもしれません。彼らは1000億ドル(10兆円)以上の資産を運用し、世界に対して中小国の国家元首並の経済的影響力を持っています。ちなみに日本最大であるトヨタ自動車の自己資本が約20兆円となっています。
この本では、日本経済新聞ニューヨーク支局記者だった著者がアメリカで実際に面談したり、関係者を取材して見聞きした貴重な内容が披露されています。管理人が感じたポイントを書きますので、各自書籍を手に取って実感して下さい。
ダニエル・ローブの凄いところ
・2009年2月米政府の大手銀に対するストレステスト公表を受けて敢然と米銀の株式を買い漁り、2009年に4割の収益を上げた。
・欧州債務危機のピーク2012年にギリシャ国債を額面1ユーロあたり17セントという破格の条件で購入し2倍になって売り抜け、4~5億ドルの収益を上げたとされる。
・企業統治を合理化することを求める物言う株主アクティビストであり、プロキシーファイト委任状争奪戦も厭わず自らの主張を通し、企業価値を向上させ、高値で株を売却する。
ダニエル・ローブの教え
・レバレッジに依存した投資からは距離を置く。借り入れや信用取引を多用しない。
・ジョエル・グリーンブラットの「グリーンブラット投資法」を活用している。イベントドリブン投資戦略つまり、企業の特殊な状況スペシャルシチュエーションに投資をする。M&Aやリストラをチャンスとして投資する。
・「ヨガと瞑想は、脳と身体にいい影響を与える。思考が鮮明になり、記憶力もよくなる。バランス感覚が高まり、より客観的に自分を見られるようになる。いずれも投資家として成功するには大切な要素だ」
※サード・ポイントHP(ダニエルローブのファンド)
※サード・ポイントのツイッター
※ソニーに対する提言サイト
https://www.astrongersony.com/
驚くべき事にastrongersony.com なんていうサイトまで造って、ソニーの企業価値を高めようとする提言を行っているんですね。ソニー株に15億ドルを投資しているんだそうです。1ドル100円でも1500億円ですから気の遠くなるような金額です。スマホ用イメージセンサーで高シェアを誇る半導体部門のスピンオフ(分離独立、上場)などを求めているようです。確かに、それが実現すれば株価に反映されそうです。
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