2極管ダイオード

シンギュラリティを乗り越えるために、電気の知識が必要です。コンピューターの中で何が起こっているのか、理解する必要があるでしょう。勿論、電気がデジタルデータとしてスイッチングされ、流れているのです。人類が電気を発見したのは、最初は雷、静電気でしたが、やがて、真空ポンプが発明され、真空管内に電極を挿入し高電圧を掛けると、電流が流れることが分かりました。2極管の発見です。

最初の2極管はクルックス管と呼ばれました。発熱させないで電子を放出させるので冷陰極管とも呼ばれ、LEDに置き換わるまで、つい最近まで液晶テレビやノートパソコンのバックライトに使われていました。

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クルックス管の中を移動する粒子がマイナス電荷を持つことや、その粒子の重さが水素原子の1800分の1であることなどが測定されました。電子が真空管のガラスに衝突すると余ったエネルギーが光として放射され発光現象が観測されました。クルックス管からは、厚紙などの遮蔽物も突き抜ける目に見えない放射が起きていることも観測されX線と名付けられました。クルックス管の電子が放射される電極がカソード、電子を受け取る電極がアノードですが、アノードにマイナスの電圧を掛けると電流が流れないことから整流作用が確認されました。

真空管に電子を飛ばす為に最初は数千ボルトの電圧が掛けられていましたが、電球を発明したエジソンの実験により、発熱するフィラメントからも電子が放出され、これが、電球内に挿入された電極まで飛ぶことが発見されました(エジソン効果)。現代でも使われている2極真空管ダイオードの発見です。
 

※wiki解説、2極管整流作用

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ダイオードは巨万の富をもたらしました。なぜなら、AMラジオの復調装置に必須の部品だったからです。AM電波のキャリア信号(例えば500KHzのサイン波)を、音声信号(20-20000Hz)で振幅変調した電波を受信し、ダイオードを通してキャリア信号をローパスフィルタ(積分フィルタ)で遮断すると、音声信号が復元され、これがラジオ受信機となったからです。現代でも教育用に販売されているゲルマニウムラジオは、ラジオ放送の電波をアンテナで取り出して、ダイオードを通して(検波し)、クリスタルイヤホンで直接聴くというシンプルな構造です。電池などの外部電力を一切使わず電波の力により直接イヤホンの振動板を動かす仕組みです。

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ラジオ放送は、アメリカで1906年に始まり、娯楽性の高さからあっという間に普及が進みました。音楽や、ニュースや、天気予報など、今まで得られなかった情報や娯楽が家庭内に毎日入ってくることは当時の人々の驚きでした。21世紀のインターネットみたいなものですね。給料の何ヶ月分の費用が掛かっても、命懸けでラジオ受信機を購入したんですね。ラジオは儲かる、つまり、ダイオードは儲かるということになり、整流装置の開発が一気に進みました。鉱石整流器に始まり、真空管が開発され、真空管が壊れやすいし電力を食うので、鉱物整流器を改良した半導体ダイオードが発明されるに至りました。第二次大戦後の日本復興がソニーの小型トランジスタラジオによって推進されたことは日本人なら記憶に留めるべきことでしょう。

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※ソニーHPより、トランジスタラジオTR-55
https://www.sony.co.jp/Fun/design/history/product/1950/tr-55.html
※電気学会HPより、電気の礎TR-55
http://www2.iee.or.jp/ver2/honbu/30-foundation/data02/ishi-06/ishi-1617.pdf

2極管ダイオードは、やがて半導体PN接合、発光ダイオード、太陽光発電へと繋がっていく重要なステップでした。文系理系、専門分野に関係なく、シンギュラリティの時代を能動的に歩んで行くためには是非とも習得して欲しい基本知識です。