東芝がニオブを押さえた!

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※東芝プレスリリース、次世代リチウムイオン電池向け材料の共同開発契約締結について
http://www.toshiba.co.jp/cs/topics/back-number/20180619.htm

※独立行政法人、石油天然ガス・金属鉱物資源機構HPより、鉱物資源マテリアルフロー2016ニオブ
http://mric.jogmec.go.jp/wp-content/uploads/2017/06/18_201701_Nb.pdf

東芝が、ニオブ生産量の9割を占めるブラジルの大手資源会社と提携発表しましたね。ニオブって、もともと鉄鋼の耐蝕性や強度を上げるための添加物としての用途がメインだったわけですが、21世紀に入ってリチウムイオン電池の性能を上げる重要材料であることが分かってきたんですね。リチウムイオン電池を制するものは、EV革命を制すると言われており、二次電池の性能向上技術と、その材料の確保のために世界中の会社が血眼になって奔走しております。

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リチウムイオン電池が発明された瞬間から、リチウムの価値が上がったように、ニオブチタン系酸化物(Niobium Titanium Oxide、NTO)を用いたリチウムイオン電池向け負極材が完成した瞬間からニオブの価値も急増することになるわけで、そうなる前に先手を打ったという感じでしょうか。もう実験室などでは完成していて量産化に向けた周辺技術の確立段階に差し掛かっているということでしょうか。

SCiBって、正極にマンガン酸リチウムを使って、負極にチタン酸リチウム(普通は黒鉛を使う)を使った2次電池ですが、今度は、負極にニオブチタン系酸化物を使うという計画なんですね。この場合、リチウムニオブ電池と名前を変えた方が良いかも知れませんね。まあ、名前が乱発されるのは好きではありませんけれど。SCiBは電圧が2.4Vと低いわけですから名前を変えた方が分かりやすい気がします。

ニオブチタン系酸化物(Niobium Titanium Oxide、NTO)は黒鉛に比べて約2倍のエネルギー密度を有するということで、SCiBの弱点だったエネルギー密度の問題をクリアできるかも知れません。もともとサイクル寿命(容量8割に低下する充放電回数)4万回、1分間で8割充電可能という驚異的な性能を誇っていた電池ですから、エネルギー密度が改善されれば鬼に金棒ということですね。4万回って、毎日1回充放電したとして10年で3650回、100年で3万6500回ですから100年以上となりますね!経年劣化もあるのでそんなに長く使えるはずは無いのですが本当に凄い性能です。


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