面積世界最大のフィルム型ペロブスカイト太陽電池モジュールを開発されました。モジュール面積703cm2で変換効率11.7%だそうです。
ペロブスカイト結晶は、ジャングルジムの中に斜めに立方体が入っている不思議な形の結晶ですが、2009年に桐蔭横浜大学の宮坂力教授がハロゲン化鉛系ペロブスカイトを利用した太陽電池を開発したんですね。ペロブスカイト結晶に光を当てると電子が沢山出てくることを発見したというわけです。電極に光を当てて発生した電子や正孔を電解液で輸送する色素増感太陽電池の一種で、日本発の新しい太陽電池です。
何が凄いかと言うと、シリコン結晶(融点1414℃)を使わないので、高温工程無しで製造できるということですね。低温で、ペロブスカイト結晶を塗布したり、「印刷」したりして太陽電池を製造できるので、コスト削減が期待されているというわけです。フィルムに印刷できるので、屋根瓦みたいなデコボコの形の太陽電池を造ることも可能なんですね。
※NEDO、太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges)
http://www.nedo.go.jp/content/100575154.pdf
2013年時点で、太陽光発電のコストは、23.5円/KWh、システム価格は38.5万円/KWでした。NEDOでは、2030年に発電コスト7円/KWhを目標に掲げて様々な助成事業を行っているとのことです。従来の化石燃料ではコスト削減に限界がありましたが、太陽光発電の場合は太陽光という核融合の無限エネルギーを根拠としているために、コスト削減の余地が大きいんですね。生産性革命、シェアリングエコノミーの時代には、「エネルギーは全て無料になる」と予測されており、我々の社会生活もこれを前提として構成されていくことになるのです。
そういえば、核融合の研究も盛んに行われていますけど、太陽光発電て核融合エネルギーを利用しているんですよね。それならわざわざ地球上で核融合の原子炉を作らなくても良いんじゃないですか?ふと、そんな疑問が湧いてきましたよ。