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あおぞら銀行が自前ATMを全廃

※プレスリリース
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※あおぞら銀行トップページ

Screenshot of www.aozorabank.co.jp

 
最初、「え?あおぞら銀行がATM全廃?」と思ってびっくりしたのですが、よく読むと「自前ATMを廃止して、ゆうちょ銀行ATMと統合」ということだったんですね。それなら、使えるATMの台数は増加するわけで、利便性が低下するとかいう話ではないですね。

また、自前ATMを廃止するということは経費を削減することであり「守りの経営」にも見えますが、「銀行が変わる」ということを内外に示す「攻めの経営」と評価することもできますね。預金を預かって、それを融資し(国債を買い)、預金者にはATMの利便性を提供するという従来のビジネスモデルが、ゼロ金利政策およびイールドカーブコントロール(長期金利も含めて全部ゼロ金利にする)によって成り立たなくなりつつあるわけです。考えて見れば国債を買うだけの収益なんておかしいですからね。

この場合、「金利を上げて下さい(今まで通りの商売を続けさせて下さい)」とお願いする方向性と、「金利はどうでも良いですから、新しい業態を認めて下さい」という方向性と、2種類あるんですね。あおぞら銀行は、新しい方向性を模索していると言うことだと思います。

新しい方向性というのは、「投資銀行への移行」ということだと思います。アメリカの株式市場を拝見していますと、ROAランキングの上位に投資銀行がいくつもランキングしています。アメリカの投資銀行は、グラス・スティーガル法(1933年銀行法)によって、預金を受入れ、商業貸付を行う預貸業務を禁止されているため、預貸業務を行うという意味での「銀行」ではなく、投資銀行という呼び名は、かつて、証券の引受・販売、受託資産の運用、企業の設立・合併・清算の仲介に加え、大口預金の受入れ、商業貸付等、企業財務に関するほとんどすべての業務を取り仕切っていたころの名残とされています。

米国の投資銀行は、引受業務、M&A(Merger&Acquisition:企業の合併・買収)仲介業務、トレーディング業務を核とし、資産管理業務、年金ビジネス等多角化が進んでいるということです。

※参考資料
http://www.dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8794244_po_qt28-3.pdf?itemId=info:ndljp/pid/8794244&contentNo=1

少し古い記録ですが、日米の個人金融資産のポートフォリオ比較がありましたので、転記します。

※1998年12月末(出典)資金循環速報(日銀)、Flow of Funds Accounts(FRB)より安田総合研究所作成
日本=現預金61パーセント、保険25パーセント、信託5パーセント、債権3パーセント、株式4パーセント、投資信託2パーセント
米国=現預金11パーセント、保険2パーセント、信託4パーセント、年金29パーセント、債権6パーセント、株式21パーセント、投資信託11パーセント

ちょっとこれは驚きますね。日本とアメリカの国民の考えていることは全然違うと言うわけです。お金に対する考え方が全く異なりますね。日本人は「お金は銀行に預けるもの」と考えていますが、アメリカ人は「お金は運用(投資)して増やすもの」と考えていますね。銀行の収益力も全く違うというわけです。これを見ればATMなんてやってる場合じゃないと分かりますね。

単純に、日本が非効率、アメリカは素晴らしい!と言うつもりもありませんが、銀行の収益力で日本が国際標準から大きく出遅れていることは間違いないですね。この格差がフィンテックにより益々拡大していく可能性が高いのです。

ですから、日本の様々な銀行の収益構造改変策のニュースがこれからもバンバンくると思いますが、「不便になるな~」と思わず、「銀行が変わろうとしているな!」とポジティブに捉えて頂きたいと思います。

※参考書籍