フジフィルムが白黒フィルムの販売終了

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これは衝撃的でしたね。以前、ネオパンF(ISO32の高精細モノクロフィルム)の販売終了の時も衝撃的でしたが、今回は印画紙も含めてモノクロ自体全部やめるということですから凄いことです!10年前、あるいは20年前のフジフィルムの社員に「御社がモノクロフィルムと印画紙全部やめるのはどうですか?」と聞いたら、「それは無理でしょう!」という回答が来たはずです。ええ、社員どころか、一般ユーザーの方でも、フジフィルムがモノクロやめちゃうなんてありえへん!とみんな思ってたわけです。しかし、時代の進展は恐ろしいですね。デジカメ時代においては、モノクロというのは「設定項目のひとつ」でしか無いわけです。

Screenshot of www.fujifilm.co.jp

今回、フジフィルムさんのHPを見て驚いたことがありました。トップページのトップメニューの一番最初のメニュー項目が ”INNOVATION” となっているんですね!これは当然、経営陣の考え方がここに体現されているわけで、経営陣から、社員全体に対するメッセージになっているわけです。つまり、「当社は、イノベーションに注力することで生き残っていく会社である」と宣言しているわけですね。思えば、フィルム自体がイノベーションそのものでした。まあ100年以上昔のことですが、フィルム写真というものに、皆が驚いて、高額な金銭をそこに注ぎ込んでいった訳ですね。それが「コモディティ化」して、もはや価値を生み出さなくなったので、潔く身を引く決断をしたという訳なんですね。シンギュラリティ社会において、変革が起きた時の正しい対処法がここに実践されているというわけです。

中国の古典「易経」に、「君子は豹変し、小人は面(おもて)を革(あらた)む。」という成語がありますね。原文は、「君子豹変 小人革面」となっています。これは、立派な人物は大胆に変わることができるが、能力の無い人物は上っ面を変えることしかできない、という意味ですね。フジフィルムは豹変していきますよ、という決意表明が、ホームページのトップメニューから伺えるわけです。

Screenshot of www.niepce-tokyo.net

Screenshot of takehikonakafuji.com

モノクロ写真と言えば、ギャラリーニエプスと、中藤毅彦さんですね。どーすんのかなと思ったら、フィルムはILFORD社のものを使用しているようで当面大丈夫かなと思いました。ハイコントラストの写真表現、素晴らしいですよね!写真って現実を写すものですが、ハイコントラストのフィルターを掛けることによって、少し現実感が後退し、夢の世界のような雰囲気が出て来るんですよね!浮遊感というか、なんと言いますか。で、その写真を見ますと、自分自身も夢の世界で、「ああ、私はほんとは何がしたいのだろう。どこに行きたいのかな。」みたいな気持ちにさせられるという訳なんですね。こんな時代でも是非、頑張って頂きたいです。


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