容量5倍のリチウム空気電池が実用化へ

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2025年頃の実用化を目指して国立研究所とソフトバンクが提携するという発表ですね。

普通のリチウムイオン電池は、正極に炭素、負極にコバルト酸リチウムを使って、炭化リチウムを造ったり分解したりする反応なのですが、リチウム空気電池は、正極に空気、負極にリチウム化合物(詳細は不明)を使って、酸化リチウムを造ったり還元したりする反応だそうです。普通のリチウムイオン電池でも過放電しますと酸化リチウムができると言われていますが、その過放電の部分に着目した電池なんですね。炭化リチウムを使いませんので、普通のリチウムイオン電池で必要な正極の黒鉛(炭素)が大幅に削減できます。リチウム空気電池でもリチウムイオンを酸化させる反応面積を増やすために多孔質カーボンが使われているようですが、正極として使われているわけではないので大幅に軽量化できるということのようです。

空気電池といえば、補聴器用の1次電池(充電できないやつ)が実用化されていますね。これは負極に亜鉛が使われている空気亜鉛電池ですね。

Screenshot of panasonic.jp

 
リチウムイオン電池の進化形といえば、全固体電池が期待されていますね。これは固体電解質でセパレーターが不要になるという技術で、やはり軽量化によって重量エネルギー密度の向上(1.5倍程度)が期待されているんですね。

しかし、自動車用で全固体電池が期待されているのは、有機溶媒の電解質を使わないので安全性が高まるという点がポイントですので、今回のリチウム空気電池は自動車用途にすぐに使えるわけではありませんね。リチウム空気全固体電池なんてものができれば変わってくるのでしょうけど!

とにかく、今使ってるスマホとか、コードレス掃除機とか、電動自転車とか、EVとかのバッテリーが5倍になったら社会はどう変わっていくか?それをちょっと考えて見ませんか?ブラウン管テレビが消滅したのと同じように、ガソリンスタンドが跡形もなく消え去るということがすぐに想像できると思います。

そういえば、電子ペーパーのkindlepaperwhiteが我が家にやってきた時、たしか2012年12月、あの1ヶ月に1回充電すれば良いという使用体験は衝撃的でした。「充電の概念を変えた!」と思いました。こういうのをシンギュラリティ=特異点というのでしょう。


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