シンギュラリティの提唱者レイ・カーツワイルさんは、ジェネティクス(G)、ナノテクノロジー(N)、ロボティクス(R)、つまりG・N・Rという3つの分野が、これから人類の革新をもたらす主要分野であるとおっしゃっています。ジェネティクスは遺伝子編集も含めた遺伝子工学、ロボティクスは人工知能も含めたオートメーション、そして、ナノテクは分子とか原子1個単位の世界を研究することですね。
子供達が大人になる頃には、生産性革命の恩恵を受ける形で「ほとんど」仕事しなくても生活することは可能になると思いますが、どうしても仕事したい場合は、ベーシックインカム以外の収入を得たいのであれば、これから、GNRの3つのうちのどれかを目指して走っていくと良いのかもしれません。
ナノテクの子供向けガイドブックを国の研究機関である物質材料研究機構の研究者が出していましたので読んでみました。意外に高度な内容で、大人でも消化するのに時間が掛かります。電子顕微鏡の具体的な仕組みは、この本を読むまで知りませんでした。
具体的に研究者になる方法とか、全国の科学館リストもあって有用な本だと思います。ポスドクが楽しいこととか書いてあって苦笑しましたが、これからは生産性革命の恩恵を受けて生活費が下がりますし、また、クラウドファンディングなども発展していくので研究費も集めやすくなるでしょうから、ポスドクが過ごしやすい時代になっていくと思います。勉強ができるお子さんなら、「何でも良いからとにかく博士を取れ」と指導するのもひとつのシンギュラリティ対策になるのかなと思いました。博士の前に修士ですし、その前に博士を輩出できるような上位の大学に行けるかどうかですね。
博士で思い出しました。研究不正の問題がありますね。研究だけでなく、燃費不正、排ガス不正、免震ゴム不正、制震ダンパー不正、金属強度不正、沢山ありますね。これからの時代は、勉強だけでなく倫理観も大事になってくると思います。生産性革命の時代には企業の利益率が低下していきますから、どうしても利益を確保するための不正が行われやすい土壌がでてくるわけですが、「今は生産性革命が進行しているから、儲からなくても仕方ない」という認識で、今自分にできることを着々と積み上げていく姿勢というものが大事になってくると思います。ぶれない信念と言いますか、研究そのものを楽しむ気持ちが大事になるのでしょう。この本にも、そういう趣旨のことが少し書いてありました。