PDCAサイクルは、品質管理法を構築した統計学者ウォルター・シューハート、エドワーズ・デミングらが提唱した技法で、次の4段階を繰り返す方法です。
Plan(計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する。
Do(実行):計画に沿って業務を行う。
Check(評価):業務の実施が計画に沿っているかどうかを評価する。
Act(改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて改善をする。
この4段階を1周したら、最後のActを次のPDCAサイクルにつなげ、螺旋を描くように1周ごとに各段階のレベルを向上(スパイラルアップ、spiral up)させて継続的に業務を改善します。これは実は家庭でも仕事でも無意識のうちに誰もが行っていることですが、これを具体的な概念装置として提示したことに意義があります。品質管理や業務改善のプロでなくても、この概念装置を使って日々の仕事を進めることができます。
グーグルで人材開発を担当し「ニューエリート」を出版したピョートル・フェリクス・グジバチ氏は「Pは要らない」として、アイデアがあったら計画を練り込む必要は無く、どんどん実行してDCAサイクルを回すべきと主張しています。それによってニューエリートは急激な変化にも柔軟に対応し、新しい価値を造ることができるとしています。
※参考図表
旧エリートとニューエリート
| 旧エリート | ニューエリート |
|---|---|
| 固定化された地位 | 持続的に成長する |
| 有名大学や大学院卒業 | 豊富な学習歴 |
| 有名会社に入り一生安泰 | 自分がやりたいことややるべきことを追求 |
| 金融資産を保有 | 人間関係資本や変身資産(変化を恐れない力)を保有 |
| 上からの指示に従った仕事が早くて正確 | 新しい枠組を作る |
| 立身出世や名誉やステータスが動機 | 楽しいからやっている他者貢献 |
| 誇示的消費 | ミニマリズム(最小限主義) |
| 同窓会などの限定ネットワーク | 多様性に富んだ交友関係 |
| スーツ姿 | wear something |
| 計画主義 | 学習主義 |
| 勤勉 | 情熱 |
| 服従 | 率先 |
| 安定 | ムーンショット(大ホームラン) |
| 会社に仕える依存する | 会社をうまく活用する |