リアルタイム仮想現実

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NVIDIAは2018/12/3、現実世界のビデオ画像からディープラーニングされたモデルを使用して完全に合成されたインタラクティブな3D環境をレンダリングできる革新的なAI技術を発表しました。

NVIDIAの研究者は、ニューラルネットワークを使用して合成3D環境をリアルタイムでレンダリングしました。従来、3D画像を生成するためには、仮想世界のすべてのオブジェクトを個別にモデル化(3次元データ化)する必要があり、莫大な費用と時間が掛かっていました。それが今回のNVIDIAの研究では、実際のビデオから自動的に学習されたモデルを使用して、建物、樹木、車両などのオブジェクトをレンダリング(画像生成)することができるのです。

この技術は、ゲーム、自動車、建築、ロボット、バーチャルリアリティのための仮想世界を迅速に作成する可能性を提供します。例えば、現実世界の撮影画像に基づいてインタラクティブなシーンを生成したり、消費者が好きなポップスターのように踊っているリアルタイム画像を生成することができます。

NVIDIAのApplied Deep Learning Research担当副社長であるBryan Catanzaro氏は、次のように述べています。「NVIDIAは25年間にわたってインタラクティブなグラフィックスを作成する新しい方法を発明してきましたが、今回初めてニューラルネットワークを用いて画像生成することができました。」「ニューラルネットワークを用いることにより、グラフィックの作成方法に革新をもたらします。これにより、開発者は従来のコストのほんの一部で新しいシーンを作成することができます。」

今回の研究成果は、参加者が都市のシーンをナビゲートできるシンプルな運転ゲームです。既存のグラフィックエンジンによって生成された3D世界のスケッチをビデオに変換するニューラルネットワークを使用して、すべてのコンテンツがインタラクティブにレンダリングされます。このインタラクティブなデモは、モントリオールのNeurIPS 2018カンファレンスで展示されます。

なんとも驚くべき画像です。こういうことができるなら、写真が1枚あるだけで、誰でもその世界(3D仮想現実)に入ることができると言うことじゃないでしょうか。しかも、その世界で、複数の参加者が同時にプレイする(生活する)こともできるわけです。紙の手書きの手紙が廃れて電子メールが流行しているように、現実世界がVR世界に置き換わるかもしれません。

人々は現実に面会する必要性が無くなってしまうのではないでしょうか。外出する必要もなく、不動産の価値が相対的に低下していく可能性を感じさせる事だと思います。レイカーツワイルが「シンギュラリティは近い」で予言している、「不動産はヴァーチャルなものとなる」というのはこういうことなのかもしれません。有史以来、農耕が始まって以来、不動産は人類の富の源泉となってきましたが、とうとう、その時代が終わるかもしれないというお話です。我々のおじいちゃんもおばあちゃんも、そのまたおじいちゃんもおばあちゃんも、何百年、何千年にも渡って続いてきた(不動産の所有は富の源泉であるという)価値観が消え去るかもしれないのです。

今思えば、不動産の価値が消えるという大転換の兆候は、産業革命にさかのぼることができます。産業革命により、土地から農業で収益する方法以外に、工場で機械を生産するという価値の創出が可能となりました。土地を耕す以外に、研究開発によって生産性を生み出すことが可能となりました。工場の生産性は、工場の面積に比例しません。技術革新の質によって、生み出される価値の量が決まるのです。知識を蓄積し、学生を教育し、拡大再生産が始まったのでした。このプロセスが最終的にどこまで行き着くのか、誰にも分かっていませんが、「不動産はヴァーチャルなものとなる」と予言している人が居るということは留意しておく必要があるでしょう。