磁石と磁石の間に薄い絶縁体を挟みますと、トンネル効果で電気が流れます。コンデンサに交流が流れるという理屈とは異なり、直流が流れるのです。これはまあ、電子の波動性から導かれる微小世界における電子の量子力学的なふるまいと言われています。
このときに、絶縁体を挟む磁石の磁極の向きが同じ場合と違う場合で、電気抵抗が変化するんだそうです。この違いを1ビットとして記憶するメモリ素子がMRAMです。
伝統的な磁気メモリ(磁気テープ、磁気ディスク)は、磁化された磁性体の磁力を磁気センサーで読み取っていたのですが、MRAMでは絶縁体を挟んで電気を流して抵抗値を読み取るわけです。磁気メモリとは言っても全然仕組みが違うものです。
※東北大学プレスリリース
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2018/12/press-20181205-02-IEDM2018.html
東北大学が世界最高速度のMRAM実験成功のプレスリリースを出しています。不揮発で超高速メモリが実用化されるかもしれないってお話です。実用化されたらディープラーニングの性能もアップしてしまいますね。