AI技術の起源は、課税台帳と占星術とサイコロ賭博?

ほんとに初めてなので、はじめてのパターン認識という本を読んでみたんですね。そうしたら、画像認識の機械学習は、「2種類のバラバラの点を1本の線で仕切る(区別できる)ようにする」作業だと書いてあるんですね。例えば、男と女、膨大な画像を見せて、男女を識別しろという問題とか、手書きの数字のゼロと1を沢山読み込ませて識別しろという問題とかですね。「0」と「1」を区別する場合は、当該画像の縦棒成分と横棒成分と斜め棒成分を抽出して、その量の違いによってゼロとイチを区別するんだそうです。

そのとき、2種類の点を仕切る直線のことを、識別関数と言い、それは、全部の点の中心線を引くことになり、近似関数を定めることにも等しいのだそうです。それは、統計学における線形回帰分析と同じことなんですね。だから、AI技術の起源は統計学だということです。

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統計学と確率論は表裏一体のものです。ランダムなデータを分析したり予測したりする学問で、偶然や誤差を含んだデータから、将来の予測や対策を考える学問なんですね。

統計学とは呼べなくても、統計調査は、為政者が課税する時の資料として必要なものでした。記録が残っている最も古い統計調査は、西暦1085年、イングランド王ウィリアム征服王が、グロスターで顧問会議を開き、イングランドの資産台帳の作成が決められ、調査編纂が始まりました。荘園の面積や、耕作地の面積、牛の数、土地の評価額などが記載されていました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ドゥームズデイ・ブック

統計学の最初の著作と見なされているものは、イギリスの商店主で自然哲学者ジョン・グラント(1620-74)の「死亡表に関する自然的および政治的諸観察(1662年)」です。これは、教会が発行していた、洗礼と死亡の記録57年分を分析して、「自分をとりまく危険をよりよく理解」できるようにする研究でした。グラントは出生率も調べて、男子のほうが出生数が多いことを発見したそうです。

https://en.wikipedia.org/wiki/John_Graunt

イギリスの数学者で科学者のエドマンド・ハレー(1656-1742)は、1705年に、ハレー彗星の周期を計算し1758年に彗星が戻ってくることを発表しましたが、ポーランド西部のブレスラウの町の死亡表を分析した「ブレスラウの興味深い誕生と埋葬の表から引き出した人間の死亡の程度の推定、併せて年金の価格を決める試み」は、初の本格的な保険計理学の論文とされています。死亡表を使って、特定の年齢の人物が1年後に生き延びている確率を計算することができました。「自分はあと何年くらい生きられるだろうか」という人類共通の疑問に知的好奇心を掛けて挑んだのです。

19世紀はじめ、フランスの数学者アドリアン=マリ・ルジャンドル(1752-1833)と、ドイツの数学者で物理学者で天文学者のカール・フリードリヒ・ガウス(1777-1855)は、彗星や小惑星の観測データから軌道計算をするための最小二乗法を発見しました。線形回帰分析する際に、データからの距離の二乗の総和が最小となるような直線を求める手法です。天体の正しい軌道を調べたいという動機が、観測データの誤差を吸収する数学的な道具を発見する原動力になったんですね。

https://ja.wikipedia.org/wiki/最小二乗法

確率論の起源は、5000年前の古代エジプトで行われていたサイコロ遊びと言われています。動物の骨を投げて4つの面のどれが出るか賭ける遊びが行われていたようです。当然、金銭の賭博が行われていたのでしょう。そうなると、お金儲けが掛かっていますから必死に確率について思考を巡らせることになりますね。

イタリアの数学者ジローラモ・カルダーノ(1501-76)の「さいころ遊戯の書」は、確率の観念を最初に記述しようと試みた著作となりました。

正規分布を最初に発見したのは、フランスの数学者アブラム・ド・モアブル(1667-1754)です。「偶然の教理」という本の中で、教会の鐘(ベル)の形をしたベルカーブの分布に、人間活動の多くの測定結果の分布が従うことを示したのです。

正規分布を数学的に分析したのは、ドイツの数学者で物理学者で天文学者のカール・フリードリヒ・ガウス(1777-1855)でした。正規分布に数学的な定義を与えたのです。そのため正規分布は、ガウス分布、ガウス関数とも呼ばれます。

AI技術の起源に、サイコロ遊びと、占星術(天文学)と、課税台帳があったとは驚きです。関係ないように見えることでも、後日別の分野で役に立つこともあるということですね。様々なパズルのピースが揃ったときに、一挙にパズルが完成するような感じでしょうか。

古生代カンブリア紀、およそ5億4200万年前から5億3000万年前の間に突如として動物の進化の枝分かれが進展したことを、カンブリア爆発と呼びますが、AI技術の発展に関しても、ディープラーニングの発明により、同じような爆発が起きるのではないかと予想されています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/カンブリア爆発

21世紀のAI爆発、楽しみなような恐ろしいような、とにかく、そういうことが予想されているということですね。