レジリエンスとは、英語で、resile 跳ね返るの名詞形、Resilience で、復元力、回復力、抵抗力、耐久力の意味です。脆弱性 vulnerability の反対概念です。心理学の分野では、精神的回復力、自発的治癒力の意味で使われています。
経済学者・未来学者ジェレミーリフキンは、21世紀が進歩の時代からレジリエンスの時代に入っていると述べています。第一次産業革命、第二次産業革命によって、膨大な量の化石燃料が燃やされ、また、膨大な量のフロンガスやメタンなどの温室効果ガスが人類の様々な経済活動によって排出され、地球の気候変動により、地球が経験した過去5回の大量絶滅時代に比肩しうる6度目の大量絶滅の時代を迎えていると警告されています。
最後の大量絶滅は、白亜紀末頃、約6550年前の事です。地球の生物種の約半数が今後80年以内に絶滅する可能性があると警告されています。
これは人類が今まで経験してきた定期的な景気循環による経済危機とは質的に異なるものであると予想されています。史上最大の経済危機および環境危機が迫っているのです。このような時代を生き抜くためには、個人個人、家族親族、社会コミュニティ、国家、および人類全体が、レジリエンス抵抗力を持つ必要があるとされています。旧約聖書の創世記にでてくるノアの方舟みたいな話です。大洪水を生き抜くために邪念を捨てて、正しい行動をとる必要があるというわけです。
例えば、炭素社会に関して言えば、化石燃料を燃焼させることを停止し、再生可能エネルギーに舵を切って、地球温暖化に対して抵抗していく活動が必要になります。地球温暖化は数千年前から起こっていることであり、いま化石燃料の燃焼をやめたとしても地球温暖化そのものを止めることが出来るわけではありませんが、ムーアの法則・インターネット革命・AI革命による第三次産業革命は、人類がこれらの危機を乗り越えるレジリエンスを提供する可能性があるのです。21世紀うまれの子供たちには、まさにレジリエンスが必要とされているのです。