自動運転の現在地点

※2022年集計結果※2021年集計結果米国カリフォルニア州運輸局Department of Motor Vehiclesでは、毎年2月に自動運転試験車の無離脱走行距離を発表しています。無離脱とは自動運転が停止して人間が運転することなしに走行した、という意味です。つまり、トラブル無しで完全自動運転で走行できた距離を発表しているのです。

Screenshot of www.dmv.ca.gov

その表の中で、Annual Total of Disengagements という項目があり、年間離脱回数、つまり、1年で何回自動運転が停止したのか、という項目があり、それがゼロの自動車を抽出してみました。1年間で1度も自動運転が停止しなかったというのです。

https://www.dmv.ca.gov/portal/file/2022-autonomous-mileage-reports-csv/

https://www.dmv.ca.gov/portal/file/2021-autonomous-mileage-reports-csv/

その完全自動運転走行距離は年間2万2886マイル、つまり、3万6831キロ走行し続けたんですね。4万キロ弱といえば日本だったらほとんどの自家用車の走行距離に相当します。1年365日、毎日101キロ走った計算です。平均時速25キロとすると、毎日4時間走り続けて、1年に1度も自動運転がエラー停止しなかったのです!

このランキングを見て感じたことを箇条書きで御紹介します。

※2021年度版

  • 1位、3位、4位のpony.ai も、5位のweride.ai も、8位のautoxも全部中国企業でした。中国恐るべし。
  • google子会社のwaymoも優秀だが、GM子会社のcruise LLCも頑張っている。合計の走行距離はcruise LLCの方が勝っている。
  • 日本企業は年間無離脱走行車が無かった。2021年の自動車生産台数は日本がトヨダがトップだったが、自動運転車の時代になったらGMが首位に返り咲くのではないか?
  • 年間1万マイルを無離脱で走行する技術は既に完成しているように見える。

※2022年度版

  • 登録された1553台中、1307台が年間離脱回数ゼロ回だった。135台が年間離脱1回、30台が2回、22台が3回だった。
  • Google子会社のWAYMOが、1位、2位、3位、6位、7位を独占している。
  • GM子会社のcruise LLCも4位、5位、8位、9位、10位を独占している。頑張っている。合計の走行距離はcruise LLCの方が勝っている。
  • 20位まで、WAYMOとCRUISEが独占しているが、17位にアマゾン子会社ZOOXがランクインしている。
  • トヨタは4台の試験を行っているが、年間離脱回数は6~39回であり、走行距離は175~2277マイルであり、5月以降はゼロであった。
  • ニッサンは3台の試験を行っており、年間離脱回数は2台がゼロ回で1台が8回だった。年間走行距離は、21~1099マイルだった。
  • 年間2万マイルを無離脱で走行する技術が完成した。

ということで、2022年2月から2023年2月の1年間でも着実に進歩していることが見て取れます。日本勢は寂しい限りです。自動運転車の時代には、日本企業は完全消滅している可能性もあります。ガソリンエンジン車からバッテリー電気自動車BEVへの移行も同時進行しています。まさにゲームチェンジが起きようとしています。

※WAYMO紹介

※CRUISE紹介

※ZOOX紹介


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