bobos というのは、bourgeois-bohemianの複数形で、ブルジョア(上流市民)な、ボヘミアン(自由奔放な流浪の民)という意味です。既成概念にとらわれず、現代社会の束縛から逃れるために、不要なものを排除し、住宅ローンも拒否して、小さな家(スモールハウス)に住むのですが、かといって、お金が無いわけでもない、という人々です。もっと言えば、高学歴・高収入なんだけど、従来の価値観にとらわれない生活を選択する人々という意味です。もう一つの価値観、another alternative, another option を考え、実践する人々です。
スモールハウス、タイニーハウスの先駆者は、ハーバード出の詩人博物学者・作家であるヘンリー・ソローです。1854年に「森の生活」という小屋暮らしの実践を記した作品を発表します。これがバイブルとなって、21世紀のリーマンショックなど現代社会の経済矛盾にも直面した人々が、新しい小屋暮らしを提唱し始めているわけです。
日本における小屋暮らしの実践者である高村友也さんの「スモールハウス」では、米国の実践者たちとのメール交流と思索によりスモールハウスムーブメントが紹介されています。
そのなかで、ハッとしたり、ドキッとした言葉がありましたのでご紹介します。Jay Shafer, The Small House Book
ジェイシェーファー「僕は、自分の平穏な暮らしを支えてくれる家が欲しかったのであって、それを支えるために暮らしを捧げなければならないような家を欲しくはなかった。一方で、賃貸という考えは自分にはなかった。借り物じゃなくて、自分色に染めて使える、正真正銘の自分の家が欲しかったんだ。」Dee Williams,The Big Tiny: A Built-It-Myself Memoir
ディーウィリアムズ「大きな家にいても、くつろげていない人はたくさんいるわ。そういう人は、つまり、この世界にもなじんでいないのよ。」
高村友也「世の中いくら便利になっても、それによって節約された時間や体力は、再び競争と労働へと費やされているように見える。だったら、最初から何もしないで、歌でも歌っていたほうがいいんじゃないかと、そう思う。」
最近よく「ミニマリズム」とか、「断捨離」などと言われますが、なかなか現代社会の我々には実践することは難しいですね。でも「そういうやり方もあるのだ」ということを予習しておくことは価値があることだと思います。いやがおうでも、21世紀の収入の途はどんどん厳しくなっていきます。収入が無くても大丈夫なんだよということに気付くことが必要なのです。
※参考文献
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