ニュー・ノーマル(New Normal)は、ビジネスや経済学分野で、2008年リーマンショック後の金融状態を意味する表現です。
具体的には先進諸国の政策金利が3~5%の波動を繰り返す従来の動きから、0~3%の範囲に変わってきたことを指します。欧州や日本ではマイナス金利という現象も発生しましたし、アメリカでもやがてマイナス金利時代が到来すると予言されています。リーマンショック前と後では、金利の概念そのものが変わってしまったようにも思えます。ニューノーマルの時代においては、好景気であっても金利が5%を超えることは無いのです。
中国の「新常態」
中国ではニューノーマルに類似する概念として「新常態」という言葉が新聞報道などで使われるようになりました。リーマンショック前の年率10%以上の2桁成長から、7%成長の時代に入ったことを中国共産党指導部は「新常態に入りつつある」と表現しました。成長率が鈍化したのは政府のせいではなく、中国経済が世界経済の影響を受けて新しい段階に入ったことが原因であると主張しているようです。
勿論、中国の一人あたりGDPが成長し続けて欧米並になってくれば、7%成長でも高すぎるわけで、5%切りや3%切り、そしてゼロ成長やマイナス金利ということも将来的には有り得ることになります。その場合は、また違う言葉で説明されることになるかもしれません。
欧米でも中国でも、ようするに、従来の常識が通用しなくなったことをニューノーマルという言葉で表現しているわけです。ゲームチェンジしているということですね。
社会全体の変化
このようにニューノーマルはあくまでも金融市場に関する言葉として使われ始めたのですが、いまや社会全体の変化も示しています。従来の概念が通用しなくなり、新しい概念に変わっていくでしょう。
就学→職業訓練→就職→結婚→子育て→定年→年金暮らし、というような従来のライフスタイルが通用しない時代が間近に迫っています。常識(従来のゲーム、20世紀のルール)を捨てる必要があるのです。お父さんお母さんの若い頃と同じような人生を歩まなくても当然ということです。この認識を、両親世代も子供世代も両方が認識すべきでしょう。
※参考書籍
※参考記事
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