逆経歴詐称の時代

池田渓、東大なんか入らなきゃよかった 誰も教えてくれなかった不都合な話

神戸市水道局で「高卒以下」限定の採用選考に大卒したのに高卒であると学歴を偽って応募して採用され約18年間働き続けてきたが匿名の通報があり調査の結果「大卒」が発覚して懲戒免職になった事件がありました。

Screenshot of www.city.kobe.lg.jp

アファーマティブアクション

これは就職弱者である低学歴求職者を対象として市役所が募集していたルールに違反していたということで厳しい処分になったものですが、アメリカではこういうのを、アファーマティブアクション(affirmative action) と呼ばれています。積極的是正措置は、弱者集団の不利な現状を、歴史的経緯や社会環境を考慮して是正するための改善措置のことです。民族や人種や出自による差別と貧困に悩む被差別集団の進学や就職や職場における昇進において特別な採用枠の設置や試験点数の割り増しなどの優遇措置を行いますが、これには正当な努力が評価されない逆差別でけしからん、という批判もあります。

しかし、時代は進んで、今は、普通の職場でも無駄に高学歴であると働きずらいので故意に高学歴を隠して就職している事例もあるというのです。学歴を積み上げると逆に不利になるという事態が発生しているのです。

学歴のマイナス金利

ホワイトカラー危機という言葉がありますが、高学歴にふさわしい仕事が減っているということです。高学歴者の能力を活用してお金を稼ぐことができない時代に突入したということです。社会の効率化・機械化・自動化が進展しすぎて、人間の能力が不要になりつつあるということです。「フィンテックで銀行員が不要になる」というような状況があらゆる業種で発生しつつあります。これには例外も聖域もありません。

勉強すればするほど不利になるということは、いわば「学歴のマイナス金利」みたいなものです。資格で言えば取っても意味ない資格、というところでしょうか。これは時代の変化を映していることです。どのような時代の変化でしょうか。

シンギュラリティ表

20世紀と21世紀の違い、シンギュラリティの前後でどのように変わるのか、一覧表にしてみました。当然、就職先や投資先は右側の「新体制」に属する企業を目的とすべきでしょう。左側の「旧体制」企業は、少しずつでも右側の方に移行できるように努力し続けなければ生き残れません。
項目旧体制新体制
西暦20世紀21世紀
価値の源泉人間中心主義データ主義
経済資本主義(金利あり)、成長経済シェアリングエコノミー(金利なし)、定常経済
人口増加(ベビーブーム)減少(少子高齢化)
物価上昇(財産の囲い込み)下落(協働型コモンズを無償利用)
通貨政府発行の法定通貨(基軸通貨はドル)暗号通貨(主要通貨はビットコイン)
金融銀行融資クラウドファンディング
企業大企業ビジネス株式会社小規模、非営利団体NPOボランティア、ソーシャルビジネス
労働雇用契約の必要あり。正社員パーマネント契約。必要ないがやるなら単発の仕事(ギグ)。パートタイム業務委託契約。
生産工場でNC加工家庭で3Dプリンティング
収入給与、キャピタルゲインベーシックインカム
コンピューターノイマン型(プログラムで動く)データ駆動型、ディープラーニング型(NN機械学習で動く)
インターネットクライアントサーバーモデル(中央集権)ピアツーピアによるブロックチェーン(分散台帳)
流通・小売業デパート百貨店、商店街、グローバル化百円ショップ、無人コンビニ自動販売機、ネット通販ロボット配送、ローカル化
モノとヒトの関係所有アクセス
情報紙媒体を購入インターネットで無償取得
著作権・知的財産権保護廃止(海賊党運動)
エネルギー有料の化石燃料を給油無料の太陽光エネルギーを充電
自動車内燃機関エンジンの自動車を購入して人間が運転電気モーターのカーシェアリングをコンピューターが自動運転, MaaS
衣類背広、プレタポルテ(高級既製服)wear something→ユニクロ,ZARA,H&M,Gap
食料高価(働かざる者くうべからず)安価(限りなくゼロ、無料に近づく)
住居住宅ローンで新築住宅を購入空き屋に無償で入居
不動産価値の源泉価値無し(VR・AR・デジタルツインへ移行)
家族夫婦と子供2人単身世帯
主要団体国民国家NGO,NPO
必要な勉強暗記型、教科書を習得する討論型、答えの無い問題を切り拓く
資格・学歴価値があるし必要価値は無く不要(学びは必要)
飲食店・店舗多様性無人コンビニへ集約
主要議題開発・発展持続可能性SDGs
世界観開発の物語新しい物語

この時代の変化を、できる限り正確に理解する必要があります。旧来のゲームが終わり、従来のルールは通用しなくなり、新しいゲームが新しいルールで行われているのです。子供たちの教育の目指すべき方向性が変わったのです。

ウイルスが加速させる変化

この変化は、新型コロナウイルス感染症の大流行によって促進されています。第一次世界大戦で内燃機関の改良が促進され、第二次世界大戦ではコンピューターが発明されたように、世界的なカタストロフィーは常に進歩を加速させてきました。今回のパンデミックでもオンライン会議の促進(DXデジタルトランスフォーメーション)やメッセンジャーrnaワクチンの実用化など、驚くべき進展が起きています。変化が加速するのです。学歴や資格の無用化も急速に進展することでしょう。

それはもちろん勉強しない方が良いということを意味するものではありません。勉強するけれども、それはホワイトカラーとして就職するためではないということです。極限生産性による低価格革命とベーシックインカムで生活には困りません。人間社会の平和と安定、そして生きがい愉しみのために、勉強は必要なことです。

※参考記事

WTI原油マイナス価格

マイナス金利とは何か

金融排除、金融包摂

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