不動産が変わる

幸田昌則、アフターコロナ時代の不動産の公式

「アフターコロナはこういう不動産を買え」みたいなことが書いてあったら途中で読むのやめちゃおうかと思いましたが、良い意味で期待を裏切られました。

各章ごとの読解を書きますので、各自本を手に取って読んでみてください。

第一章、アベノミクスが意図した不動産バブル

1990年、2007年に続き、第二次安倍政権における金融異次元緩和により3回目の不動産バブルが形成され、2018年でピークアウトした。

第二章、新型コロナウイルス感染拡大による住宅不動産市場の変化

三密回避で、都心から郊外へ、広い面積の不動産需要が高まった。オフィス、駐車場、商業施設、ホテルの需要が減少した。

第三章、日本社会の構造変化と不動産

格差社会の進行が、不動産価格にも格差をもたらしている。

第四章、超高齢化社会が不動産市場を活性化させる

持ち家を所有し、セカンドハウスも所有するような高齢者の増加が不動産市場に影響している。中古住宅をリフォームして再利用する動きも加速している。

第五章、人口減少で変化する「住まいの条件」

人口減少で地価を維持できるのは、東京、大阪、名古屋、札幌、仙台、広島、福岡までであろう。家族構成が変化し、1人世帯が増加し、マンション需要が増加している。

第六章、デジタル化の進展が不動産の需給関係を変えていく

店舗需要は縮小し、物流施設の需要が拡大している。軽井沢や熱海でテレワークが実践されている。

第七章、地球環境の変化が不動産に影響を与える

温暖化に伴う水害の増加が、浸水想定地域の地価を下げている。地震による液状化を懸念して、埋め立て地や、造成地の地価が下落している。

第八章、「ポストコロナ」の不動産市場

ポストコロナはリーマンショックのようなV字回復は望めず、L字回復の中の2極化を覚悟しなければならない。


最後に著者が「新型コロナから学ぶこと」と題して提言していることが非常に勉強になります。

  1. 自己防衛意識を高め、他者依存型の人生設計はしない。企業も同じ。
  2. 「現在の状況」が今後も続く保証はないことを自覚しておく。
  3. 「想定外」も考えておく。そのために過大な借金はしない。
  4. 共稼ぎを前提とした生活設計はリスクが高いことを認識する。
  5. 変化への対応力を高めておく。
  6. 「規模より質」にこだわることでリスクを抑えることができる。
  7. 家族、友人との絆を強めておく。
  8. 健康体にしておく。健康が全て。

コロナウイルス感染拡大とは関係なく、2018年に不動産バブルはピークアウトしており、その後の給付金バブルや三密回避などの構造変化もあり、不動産市場の変化は続いているが、V字回復ではなくL字回復(あるいはK字回復)が予想されており、「もう二度と元には戻らない」ということを肝に銘ずる必要があるということなんですね。

昔、昭和までの時代には、何か商売で成功するとビルを建てて最上階に住み、下の階の家賃収入で余生を過ごす、という「すごろくの上がり」みたいな人生プランがあったのですが、そういうのはもう通用しないかもしれないのです。

今まで価値があると思っていたものに価値が無くなる、ということですね。

 

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