イノベーション

チェコ出身のドイツ系経済学者ヨーゼフ・アロイス・シュンペーターが、20世紀初頭に提唱した経済発展の要素となる概念。当初「新結合(neue Kombination)」として提唱され、その後、「技術革新(innovation)」と呼ばれるようになりました。イノベーションは経済全体の変革を捉える言葉ですので、「技術革新」というように技術面だけに注目するのは不適切であるとして、単に「革新」あるいは、当初の「新結合」と翻訳すべきであるという意見もあります。

シュンペーターは、「経済発展の理論」のなかで、イノベーションの特徴に次の5つがあると述べています。

1、新しい財貨の生産
2、新しい生産方法の導入
3、新しい販路の開拓
4、原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得
5、新しい組織の実現

シュンペーターは、経済発展が「静態」と「動態」の繰り返しによって進展されると分析し、さらに「動態」は、「企業者」が「銀行家」の信用供与を受けてイノベーションに成功し、「模倣者」が追従することにより「好況」が拡大し、イノベーションによって創り出された新事態に対する経済体系の正常な適応過程として「不況」を捉えています。「不況」から、次の「静態」に至り、さらなるイノベーションの準備期間が始まると分析しています。シュンペーターは「不況」を、次の経済発展のために必要な「適応過程」であると考えているため、人為的に景気対策することは好ましいことではないと考えます。これに対して、ケインズは社会全体の「有効需要」を公共事業などにより操作・管理することにより、非自発的失業の問題を解決できると主張したのでした。

参考書籍
「20世紀をつくった経済学シュンペーター、ハイエク、ケインズ」根井雅弘、ちくまプリマー新書

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