「負動産」という言葉の名付け親である牧野知弘さんのオラガ総研
いま、市有地のマイナス入札が流行っています。マイナスの価値だから「負動産」なんです。マイナス価格物件です。
https://www.google.co.jp/search?q=深谷マイナス入札&tbm=nws
深谷市の廃校跡地は、建物解体費を市が負担する形で、マイナス795万円で、一般競争入札で売却されました。
https://www.google.co.jp/search?q=室蘭マイナス入札&tbm=nws
室蘭市では、建物解体費を市が負担する形で、マイナス881万円で、福祉センター跡地が売却されました。落札者はお金を貰えるので、売却と言って良いのか分かりませんね。
行政としては、土地を民間に引き取って貰って、建物を解体して、新しい建物を建てて老人福祉施設など現在のニーズに合う民間事業をやって貰いたいという考えで土地売却を進めているようです。しかし、高度成長期、不動産バブルの時代には考えられなかった事態が起きていることになります。リーマンショック後に、EUとか日本で「マイナス金利」が導入されて驚きましたが、不動産だってマイナス価格になっちゃうわけです。
これはまさにゲームチェンジです。新しい時代の新しいルールに変わったのです。20世紀のルールと21世紀のルールを対比させてみましょう。
20世紀 → 21世紀
人口増加 → 人口減少
物価上昇(インフレ) → 物価下落(デフレ)
プラス金利 → マイナス金利
希少性 → 潤沢性
知識の偏在 → 知識の解放
プラス価格 → 価格ゼロもしくはマイナス価格
コンピューターより人間が賢い → 人間よりコンピューターが賢い
働いてお金を貰う → 働かないでお金を貰う
お金が必要 → お金は不要(物価が限りなくゼロに近い)
二項対立ですので、21世紀のルールを導出することは簡単です。従来のルールから見て、全部反対言葉にすれば21世紀のルールが出来上がりです。これは頭で理解することはできるのですが、それを自分自身の実際の生活に活かすとなるとなかなか難しいですね。しかし、社会は確実に変化していきます。
21世紀の子供たちにとって、勉強して、学校に行って、職業訓練を受けて、就職して、資格を取ったりして、仕事をして、結婚して、家を建てて、子育てをして、という従来のレールが消滅することを意味しているかもしれません。新しい人生プランが必要になっているのかもしれません。
※参考書籍、負動産時代 マイナス価格となる家と土地 (朝日新書)
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