いい大学に入って、いい企業に就職すれば将来は安泰という考えは、すでに破綻しています。


1989年、ポーランドの民主化と混乱を経験して、モルガンスタンレーやグーグルで人材育成や組織開発をしてきたフェリクス・グジバチさんの「ニューエリート」第2章を読みました。当サイトの問題意識と非常に近い内容です。

著者のグジバチさんは、第2章「つねに学び、自分をアップデートする」で、従来の学歴システムが「世界を変えるための人材育成」に対応できていないと述べています。変化の時代を生き抜くためには、学び続けることが唯一の方法になるということです。

いい大学に入って、就活を頑張って、いい企業に就職すれば将来は安泰というコースは、かつて、アメリカやイギリスやフランスにもありましたが、今はもう存在しないそうです。それは日本でも間もなく消滅します。

東大を出て一流企業や中央官庁に就職する、司法試験に合格して弁護士資格を得る、あるいは医学部を出て医師免許を取得するというのは、一生安泰ではないのか?それは当面大丈夫じゃないのか?それをグジバチさんは違うよと言っておられます。変わりますよと言うわけです。いま、産業革命を超える変革期に入っているので、従来のような知識や知能では競争に勝てなくなってきているのです。従来型の知識や知能はAIによって全てが代替可能になるからです。信じられない!そんなバカな!そういう話ですが、その変化が毎日進行しているのです。

著者によると、これからは資格や学歴を得るための勉強や学力よりも、世界の問題を解決に導く能力が大事になるということです。シリコンバレーのシンギュラリティ大学では、新しい技術によって教育、エネルギー、環境、食糧、保健、貧困、セキュリティ、水資源といった、人類にとって最も解決が困難な課題(Global Grand Challenges)を解決に導く方策が日々議論されています。

Screenshot of su.org

それは、国連のSDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)とちょっと似た問題意識ですね。

Screenshot of www.jp.undp.org

グジバチさんによる、学び続けるためのテクニックを箇条書きに列挙しますので参考になさって下さい。上記「ニューエリート」を手に取って読むことを推奨します。

・学べる仕事で、かつ、収入にも繋がる仕事を最優先で注力せよ。

・学べる仕事だが、収入に繋がらない仕事にも、半分程度注力せよ。

・語学は未知の世界への扉であり、学ぶための道具だから努力せよ。

・成功者に会って、ギブアンドテイクで相互に学ぶ。

・グーグルアラートで英単語を指定して世界の最新情報を入手せよ。

・入手した情報は他人と議論して理解を深めよ。

・師匠をたくさん持つことで思考停止を避けよ。

・反面教師からも役立つことを学び取れ。

学齢期のお子さんや、大学生や新入社員の皆さんは、じゃあ、どうしたらよいのか?勉強しなくて良いのか?そういう訳ではないと思います。高校生が勉強頑張って東大京大を目指しても良いと思います。でも、その勉強が全てではなく、大学に入っても社会人になっても学び続けなければならないと言うことですね。しかもその勉強は、既に確立された学問体系に追従するだけのものではなく、世界の課題に立ち向かえるようなクリエイティブなものではなければならないと言うことです。教科書に載っていない勉強ということです。世界の課題に向けて世界経済も動いているので、経済的にも報われる活動になるはずです。

旧エリートとニューエリート

旧エリートニューエリート
固定化された地位持続的に成長する
有名大学や大学院卒業豊富な学習歴
有名会社に入り一生安泰自分がやりたいことややるべきことを追求
金融資産を保有人間関係資本や変身資産(変化を恐れない力)を保有
上からの指示に従った仕事が早くて正確新しい枠組を作る
立身出世や名誉やステータスが動機楽しいからやっている他者貢献
誇示的消費ミニマリズム(最小限主義)
同窓会などの限定ネットワーク多様性に富んだ交友関係
スーツ姿wear something
計画主義学習主義
勤勉情熱
服従率先
安定ムーンショット(大ホームラン)
会社に仕える依存する会社をうまく活用する
グーグルの人材開発のリーダーを務めていたピョートル・グジバチ氏が「ニューエリート」という本の中で紹介した両者の違い。

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