「楽しんで仕事した者勝ち」の世界がやってくる


1989年、ポーランドの民主化と混乱を経験して、モルガンスタンレーやグーグルで人材育成や組織開発をしてきたフェリクス・グジバチさんの「ニューエリート」第3章を読みました。当サイトの問題意識と非常に近い内容です。

著者のグジバチさんは、第3章「決断は直感で。早く動いて結果を出す」で、変化の激しい時代にあっては、いかに速く決断できるかが結果を大きく左右すると述べています。直感を磨き、素早く決断して、小さな失敗をフィードバックして修正していくことが大事であるということです。楽しんで仕事をした者が勝ち、嫌な仕事に固執して変わらずに居る者が敗北する時代が来るのです。

直感と決断力を磨くテクニックを、グジバチさんの本からピックアップしますので各自上記「ニューエリート」を読んで参考になさって下さい。

・とにかく小さな失敗をたくさんして経験を積む

・環境を変えて潜在意識を刺激する(文学、美術、ファッション、音楽、インテリア、なんでも良いから脳に情報をたくさん与える)

・失敗を修正するためのフィードバックは、自分も他人も、具体的に考えて議論する。

・相手に反応する瞬間に意識を集中して、相手から成果を引き出す。

・自分から働きかける瞬間に意識を集中して、相手から成果を引き出す。

・上に引き上げる瞬間に意識を集中して、より良い状態を目指す。

・マインドフルネス(瞑想、瞬間的な意識)を活用して直感を磨く。

・睡眠、疲労、食事、手洗いに注意を払ってコンディションを整える。

・目の前にいる人に集中して、5感全てを使って情報を読み取る。

・リスケジュールを厭わず、偶然のチャンスを拡大させる。

・仕事に趣味を活かし、趣味に仕事を活かす。

・誰もやっていないことで、自分の興味のあることに取り組む。

・好きなことでマネタイズ(収益化)する。

確かに、好きなこと、自分が興味のあることなら、素早く決断することができるはずです。グジバチさんの本を読んでいて思ったのですが、決断を正しい(ビジネス的に成功する、持続可能性を持つ)方向に修正するために、他人とのコミュニケーションをとても重視していると思います。最初は主観的な決断なのですが、他人と議論することで客観性を持たせようとしているのですね。だから、ビジネスを進めるためには、常に他人と議論し続けることが大事なのだと思います。

マインドフルネスを行動に活かすことをグジバチさんは、「マインドフルネス・イン・アクション」と呼んでおられます。

Screenshot of ja.wikipedia.org

Screenshot of mindfulness.jp.net

日本マインドフルネス学会の定義だと、マインドフルネスとは、「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」と定義されています。なお、「観る」は、見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる、さらにそれらによって生じる心の働きをも観る、という意味だそうです。なんだか難しいですね。仏教の禅宗の座禅と似た感じなのでしょうか。

旧エリートとニューエリート

旧エリートニューエリート
固定化された地位持続的に成長する
有名大学や大学院卒業豊富な学習歴
有名会社に入り一生安泰自分がやりたいことややるべきことを追求
金融資産を保有人間関係資本や変身資産(変化を恐れない力)を保有
上からの指示に従った仕事が早くて正確新しい枠組を作る
立身出世や名誉やステータスが動機楽しいからやっている他者貢献
誇示的消費ミニマリズム(最小限主義)
同窓会などの限定ネットワーク多様性に富んだ交友関係
スーツ姿wear something
計画主義学習主義
勤勉情熱
服従率先
安定ムーンショット(大ホームラン)
会社に仕える依存する会社をうまく活用する
グーグルの人材開発のリーダーを務めていたピョートル・グジバチ氏が「ニューエリート」という本の中で紹介した両者の違い。

※参考書籍

 


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