こちらの記事は、シンギュラリティ対策のうちベーシックインカム論、中高年、投資家向きの記事になります。投資資金のポートフォリオをどのように構成するか、という問題です。
債券王の異名を持つジェフリー・ガンドラック率いるDoubleline Capital のレポートに面白いものがありましたので御紹介いたします。同社ポートフォリオマネージャーBill Campbell 氏の「ようこそホテルカリフォルニアへ!」というレポートです。
https://doubleline.com/dl/wp-content/uploads/Campbell_HotelCalifornia.pdf
イーグルスの有名なヒット曲ホテルカリフォルニアは、1970年代の若者の大麻中毒などの退廃文化を示唆した歌とされていますが、You can checkout any time you like, but you can never leave! というのが、「チェックアウトできることになってるんだが、どうしても立ち去ることはできないんだよ!」という意味深長な歌詞なんですね。これが、現代のG4中央銀行によるQuantitative Easing つまり量的緩和政策のことを指しているというわけです。いちどはまったら抜けられないよと、そして、次の景気後退時のリスクを高める行為になっちゃってるけど大丈夫?という警告になっているわけです。
個人的に、ホテルカリフォルニアの歌詞で前から疑問に思っていた部分があります。
So I called up the Captain,
“Please bring me my wine”
He said, “We haven’t had that spirit here
Since nineteen sixty-nine”
直訳で、「主人を呼んでワイン持ってきてくれと頼んだら、こちらではそのspiritは1969年から置いてないのです、と言われた」という歌詞なのですが、このspirit というのが「酒」と「精神」の掛詞になっているんですね。ちなみにこの曲は1976年の歌なので、1970年代の精神は60年代までの精神とは全然違いますよという意味なのかなと思いました。70年代というと、ちょうどベトナム戦争の泥沼化とヒッピー運動の隆盛、そしてオイルショックがあった頃ですね。アメリカの明るい未来に影がさした頃です。その時代状況と、無軌道な量的緩和の時代(2010年代)が似ているということなのかなと思ってしまいました。
※日銀短観(2019年3月概要版8ページ概況判断の推移を見よ)
http://www.boj.or.jp/statistics/tk/index.htm/
※IMF世界経済見通し(2019年4月2日レポートを見よ)
https://www.imf.org/en/publications/weo
※OECD先行指数(2019年2月指数を見よ)
https://data.oecd.org/leadind/composite-leading-indicator-cli.htm
※IIF世界債務モニター(2019年4月1日レポートを見よ)
https://www.iif.com/Research/Capital-Flows-and-Debt/Global-Debt-Monitor
これだけ証拠が揃っているのに、年初来高値を更新し続けているのは不可解ですね。実体経済と株価の乖離は持続することができないという意見があります。この結末はどうなるか、火を見るより明らかじゃないでしょうか。「売るべし買うべし休むべし」「休むも相場」という格言が思い出されます。
コメントを残す