ジム・チェイノスの教え

川上穣、カリスマ投資家の教え

日本で普通に教育を受けて、普通に仕事をして、普通にテレビをみて生活をしている限り、アメリカで尊敬を集めているカリスマ投資家達のことは認識することができないかもしれません。彼らは1000億ドル(10兆円)以上の資産を運用し、世界に対して中小国の国家元首並の経済的影響力を持っています。ちなみに日本最大であるトヨタ自動車の自己資本が約20兆円となっています。

この本では、日本経済新聞ニューヨーク支局記者だった著者がアメリカで実際に面談したり、関係者を取材して見聞きした貴重な内容が披露されています。管理人が感じたポイントを書きますので、各自書籍を手に取って実感して下さい。

ジム・チェイノスの凄いところ

・イェール大学を1982年に卒業しギルフォード証券の新任アナリストとして最初に担当したボールドウィン・ユナイテッドについて当時珍しかった売り推奨レポートを書き、それが翌年経営破綻した。

・運用資産60億ドルに達する世界最大の空売りファンドを率い、ウォール街では「空売り王」の異名を持つ。

・エンロンの不正会計を見抜き、2000年11月に60ドルでエンロンの空売りを開始した。2001年12月、エンロンは破綻し、チェイノスは莫大な利益を上げた。

・エンロンだけでなく、2000年ITバブル崩壊、GM、太陽電池メーカーのファーストソラーなど幾度も空売りで成果を上げている。

ジム・チェイノスの教え

・「SECの提出書類を徹底的に読み込め」、日本でいえば有価証券報告書を徹底的に読み込めという意味です。

・経営者の自社株保有動向を注視せよ。

・2009年末以降、中国の不動産バブルに警鐘を鳴らしている。「中国の住宅バブルが歴史に名を残す規模であるのは間違いない。」

・PERやPBRが下がっていても企業価値が毀損しているだけの場合がある。それはバリュートラップ(割安の罠)だから注意せよ。

・「空売りは市場の探偵役だ」不正に手を染めている企業にいち早く気づき、市場に警鐘を鳴らす。

・「経営者が伝える言葉をうのみにしない。複雑なパズルを自分で解き、真実を明らかにする。」

・母校イェール大学で教鞭を執り、18世紀初頭のミシシッピ計画事件、1930年代のクルーガー恐慌などを教えている。

・母校で学生に「あなた方が将来、何がしかの不正に出くわす可能性が十分にある」と語りかける。それを見抜くために「会計を勉強しなさい」、「結局のところ、ビジネスは数字が全てなのだから。」

・投資先企業の空売り比率が高い場合は注意しなさい。

※キニコスアソシエーツHP(チェイノスのファンド)

Screenshot of kynikos.com

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