ミンスキー・モーメント

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バブルが崩壊する瞬間のことを経済学者ハイマン・ミンスキーにちなんで、「ミンスキー・モーメント」と言います。1998年のロシア債務危機を説明するために、アメリカの投資ファンドPIMCO役員ポールマカリーが命名した経済用語です。

1990年の日本のバブル崩壊も、2000年ITバブル崩壊も、2008年リーマンショックも全てミンスキー・モーメントを通過してきました。突然、大多数の株価がストップ安で値段が付かない状況になるのです。

GDPに対する総債務額の割合(政府債務の場合、debt-to-GDP-ratio,国内総債務の場合、national-debt-to-GDP-ratio)が増加しすぎた時に、ある限界点を超えると債務を増やすことができなくなり、金融市場の大暴落を招くという見方をしています。GDPに対する株式市場の時価総額の割合は、バフェット指数と呼ばれます。

https://en.wikipedia.org/wiki/Debt-to-GDP_ratio

https://en.wikipedia.org/wiki/National_debt_of_the_United_States

次のような段階を経てミンスキー・モーメントに到達するとされています。

(1)hedge finance リスク回避相場、景気回復期で、債務総額がGDPを超える前後の時期。

(2)speculatve finance 投機的相場、債務総額がGDPを超え、市場が加熱する段階。

(3)ponzi finance 詐欺的相場、自転車操業で、ネズミ講(ポンジースキーム, ponzi scheme)のような、近い将来破綻することが避けられない相場。債務を増やし過ぎた状態。

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(4)minsky moment 暴落の瞬間、いよいよ資金繰りが間に合わなくなりダムが決壊するように市場が急落する。

これは、株式市場の時価総額を名目GDPで割り算する、いわゆる「バフェット指数 buffett indicator 」と近い考え方です。

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※バフェット指数の画像検索結果

https://www.google.com/search?q=buffett+indicator&tbm=isch

バフェット指数は、

2000年ITバブルの直前に160パーセントまで上昇し、80パーセント程度まで下落し、

2008年リーマンショックの直前に120パーセントまで上昇し、65パーセントまで下落し、

2022年コロナ対策緩和相場で200パーセントまで上昇し、コロナ軽減で150パーセント程度まで下落し、2023年2月現在160パーセント前後で推移しています。

冷静に考えますと、現在は、ITバブル、リーマンショックに続く、10年に一度の景気調整期の入り口に差し掛かっている時期と認識することができます。

※参考書籍、第三の超景気


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