Global Debt Monitor 2019 Slide Deck

Screenshot of www.iif.com

こちらは中高年向きの記事になります。私的ベーシックインカムの維持に関する記事です。

債務危機に対応するために主要先進国の銀行によって1983年に設立された国際金融研究所(IIF、本部米国ワシントンDC)の世界債務監視global debt monitor の8月最新レポートをご覧になりましたか。今回は会員登録が必要ないpublic レポートとなっています。それだけ重要な記事ということです。

pdfのレポートを見て頂き、一番重要な3ページの “Déjà vu – lower rates, higher debt” というグラフを頭に叩き込んで下さい。”Big jump in global debt as financial conditions ease”という副題が付けられています。要するに、金利が低下して、債務額が大きく増加したということを報告しているのです。

2012年に210兆ドル、gdpの305パーセント程度だった世界総債務global debt は、2019年には245兆ドル、gdpの320パーセントに至っています。世界総債務は、2006年に140兆ドル、2010年でも180兆ドル程度でしたから、現在の水準が如何に水ぶくれしているか分かります。こんなに借金しても大丈夫なのは、貸し手と借り手に、中央銀行の関与があって、感覚がマヒしちゃっているからに他なりません。今や世界経済にとって「借入金は必要欠くべからざる存在、空気のような当たり前の存在」に変わってきています。「借金したら返さなければならない」、「借金したら金利を払わなければならないから大変だ」というような20世紀的な常識は無くなってしまったのです。21世紀の人々は、「借金をしても返さなくて良い」、「借金しても金利は掛からないから返さなくても大丈夫」と考えているようです。

しかし、どんなに金利が下がっても、借金は借金です。貸し手が返済を猶予しても、借り手が返したくなったら巻き戻しが始まります。そんな当たり前のことすら、分からなくなってしまっているというのが2019年の世界経済の現況なのでしょう。iifのレポートはこれを100倍に薄めて警告しているのです。

17ページの”Ghost of recessions past – high U.S. corporate debt levels”も必見です。過去の景気後退期の亡霊という見出しで、現在の状況が過去の景気後退期直前(1~2年前)の状況に酷似していることを浮かび上がらせています。


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