20代で隠居した体験を出版した大原扁理さんの、お金に対する考え方を書いた3冊目です。お金を擬人化して話し掛けたりする描写もあって、ちょっと笑ってしまう所もありました。でも、普通の人が考えたこともないようなお金の本質に迫る論考がさらりと書いてあってドキッとしてしまうこともあります。「0円で生きる 小さくても豊かな経済の作り方」著者の鶴見済さんとの対談も掲載されています。対談ではドイツの0円生活実践者ハイデマリーシュヴェルマーさんのことも紹介されています。
この本で一番印象に残ったのは、著者が執筆の動機を記した序文の部分の記述です。引用します。
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やってみなければわからなかったであろうことの中でも、とくに新鮮な発見だったのは、「年収が年々下がって底打ち状態になったのに、それにつられてお金に対する不安も減っていった」ということでした。
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なんと、年収が減ると不安が増すのではなく、逆に不安も減ったと言うのです。おそらく、生活状況(支出、自由時間)が同じままで年収だけが減ったのであれば不安も増すのでしょうけど、年収が減ると同時に、当然ながら支出も減り、自由時間が増えたという実感がそのような心境の変化を与えたのだと思いました。心の豊かさは、金銭とはあまり関係無いということです。
著者の上記感想は、言い換えると「年収が減ると邪念も減る」ということかもしれません。
これから、AI革命RPA革命が進行し、人間の仕事の必要性が低下していった場合に、人々の年収が減って、ベーシックインカムで生活する人々が主流になっていった場合に、この著者の考え方は先駆者の思想として役立つはずです。21世紀の子供たちは、20世紀生まれの親たちから20世紀の価値観を強要されるかもしれませんが、21世紀は違うんだよと反論できるように理論武装する必要があるでしょう。この種のミニマリスト本を読んで予習しておくと良いでしょう。
※参考記事
年収90万円ハッピーライフ
食費はただ、家賃も0円!お金なしで生きるなんてホントは簡単
※参考書籍
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