これは、広告の除去と検索データの廃棄とトラッキング(ユーザーの閲覧情報監視)放棄を理念として掲げているブラウザのムーブメントです。chrome とか firefox にもシークレットモードはありますが、このブラウザはシークレットが標準なのです。「life after google グーグルが消える日」の著者ジョージギルダー氏は、『現在、グーグルがあなたの情報を管理し、無料で活用しているが、「グーグル後の世界」では自分の情報を自分で管理し、その価格を自由に決められるようになる。』と述べています。
1968年にヒッピー運動の機関紙「ホールアースカタログ」を創設したスチュアートブランドは、「情報はフリーになりたがっている“Information wants to be free.”」というスローガンを発見しました。これが、21世紀のブラウザの方向性のひとつを形成しているのです。
brave ブラウザはパソコンでもスマホでもアプリがリリースされていて試すことができます。確かに、広告が表示されないので、ページ描画が速く、我々がネット記事を閲覧する時も速く読むことができます。これは「インターネットをIT巨大企業から取り戻す」というムーブメントなのです。これは単なるブラウザの話ではなく、インターネット全体、ひいては我々自身の世界観・人生観に関わる問題なのです。
brave の創業者はブレンダン・アイク、JavaScriptの発明者でありMozillaの共同創設者でした。彼はIT巨大企業に対抗してネットを変革していくには勇気が必要だと考えているのでしょう。
brave には tor 経由のアクセス機能も提供されています。これは一種の代理サーバーで、閲覧者のIPアドレスをwebサーバー側からは検知できなくする仕組みです。
brave のシェアは現在ランキング外で1%未満のようですが、これが5年後もそのままかどうかは分かりません。インターネットの世界は日々進化を続けているのです。そのような変革の萌芽があることを認識しておくことが必要です。
※参考書籍
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