アフガニスタンの診療所から

中村哲、アフガニスタンの診療所から

2019年12月4日、アフガニスタンで医療だけでなく現地の人々のために用水路を工事する活動をされていた中村哲医師が襲撃されて命を落とした衝撃的なニュースがあり、その活動内容を知って驚きました。「こんな凄い人が世の中に居たのか!」それで本屋さんで平積みしてあった20年前の「アフガニスタンの診療所から」を読んでみました。

書かれたのは1992年という少し古い本でしたが、中村医師の行動の源泉が少し垣間見えた気がしました。山登りと蝶好きが高じて福岡山岳会の「ティリチ・ミール遠征隊」に参加して、カラコルムの自然の美しさに魅了されたことがきっかけだったということです。そして、診療活動を通じて現地の人々の素朴な人間性にも惹かれていったといいます。たまに日本に帰ってくると「発展過剰国」の心の貧しさを感じざるを得なかったというのです。非常に考えさせられる記述でした。

Screenshot of ja.wikipedia.org

この本の陰の主役はアフガニスタンのらい患者「ハリマ」です。彼女の「殺してくれ」という痛々しい叫びと1985年クリスマスケーキの笑顔、これが著者の心を大きく動かし、のちのJAMS(日本アフガニスタン医療サービス)の活動に繋がって行ったと知りました。氏は「助けることは助かること」と気づきアフガニスタンの活動に生涯打ち込んでいったのでした。中村医師はアフガニスタン農村医療計画を立ち上げて既に1980年代から命懸けの活動に邁進していたのです。

中村医師がペシャワール会の理念を尋ねられたときに冗談まじりで回答するのが「無思想・無節操・無駄」の三無主義だそうです。ひたすら実践あるのみという行動主義です。やらされているのではなく、やらなきゃいけないという使命感でもなく、自分の心に素直に、やりたいことを追求しているように思えます。

Screenshot of www.peshawar-pms.com

とてもとても真似のできることではありませんが、21世紀のシンギュラリティを乗り越えなければならない子供たちにも、中村哲医師の行動は参考になると思います。

「役に立つかどうか分からなくても、目の前の困っている人のために行動を起こし、そこから自分自身の喜びを見つけよう」という事かと思いました。

※ペシャワール会関連書籍リスト

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。