アドラー幸福マニュアル

永江誠司、アドラー珠玉の教え

アドラー心理学って「勇気づけ」というキーワードは聞いた事がございますが、「褒めない子育てって何なの?」などと思って敬遠していたんでございますが、こちらの本を読んで納得致しました。アドラー心理学というのは、心理学というより、哲学とか宗教にちょっと近い性質があるなと思いました。

読んでみて、アドラー心理学って「幸福マニュアル」みたいなところがあるなあと思いました。幸福マニュアルということで、日本人なら道元禅師の「正法眼蔵」なんかも思い浮かぶところですが、時代も文化も違うので、体裁や書き方が全然違っているところが面白いですね。

この本を読んで管理人が感じたポイントを列挙致します。各自読んでみて下さい。

・アドラーは1888年にウィーン大学医学部に入学したが、フロイトの講義は受けずに眼科医の道を進んだ。

・アドラーは神経学と精神医学に関心を持つようになり、1902年にフロイト主宰の研究会(心理学水曜会)に参加したが、やがてフロイトとは距離を置き、独自の道を歩むようになった。

・アドラーは1914年の第一次世界大戦で従軍医師として参戦し、終戦後ウィーン市に働きかけて1922年、世界初の児童相談所(クリニック)を開設した。

・1930年代、ナチズムの台頭を受けてユダヤ人であるアドラーはアメリカに移住し、ロングアイランド医科大学で教鞭を取った。アドラーの心理学は、ルドルフ・ドライカーズなどの弟子を通じて継承され、P.F.ドラッカースティーヴン・R・コヴィーを通じて大きく広まった。

・アドラーの「個人」心理学は、ラテン語の「分割できない」という意味で用いられており、「人は、それ以上には分割できない存在」と考えた。アドラーは、人を心と体、理性と感情、あるいは意識と無意識などに分割できないものと捉えた。これはゲシュタルト心理学の影響を受けたものであり、フロイトやユングの考え方とは一線を画すものであった。

・「人の生活は、その人の持つ目的によって規定されている。」目的によって、行動が決まり、幸福も決まると考えた。

・「人は、あらゆることを自分で考え、判断し、決定する。この自己決定性が、結果に対する責任感を高め、人の心を育て、安定させるのである。」子供の自己決定性を阻害するような教育は差し控えた方がよいと考えた。

・「人には、自分の周りの人や社会と協調していこうとする共同体感覚があり、この感覚を発達させることにより、人や社会との一体感を強めることができる。」正しい共同体感覚を身につけることにより、人生の課題を解決することができる。

・「勇気づけとは、一言でいえば、嬉しいという喜びの気持ちと、ありがとうという感謝の気持ちを相手に伝える援助法である。」上下関係に基づいて褒めるのではなく、横の関係から当人の精神の成長を促す。

・「人生を幸福に生きる条件とは、一つは自分の持っている能力を発揮できることであり、もう一つはそれが他の人のためになっていることである。人生の幸せは、人に与えたものが自分の元に返ってくるようにしてもたらされるものなのだ。」

最後に御紹介した言葉は余りにもストレートな「幸福マニュアル」になっており驚いてしまいますね。しかし、不思議な説得力があります。21世紀のシンギュラリティを乗り越えていく場合にも、アドラー心理学の「幸福マニュアル」は有効だと思います。「自己決定性」と「共同体感覚」を「勇気づけ」によって伸ばすことができれば、変革の時代を乗り越えることが出来るはずです。是非、アドラー心理学を勉強致しましょう!

※参考書籍(弟子のドライカーズの教科書)

ドライカーズ、アドラー心理学の基礎


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