アイデンティティ危機

榎本博明、50歳からのむなしさの心理学

こちらの本で、アブラハム・マズローと、ヴィクトール・フランクルと、エリク・エリクソンの心理学が紹介されていました。

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マズローは人間の基本的欲求として、「生理的欲求」「安全欲求」「愛と所属欲求」「承認と自尊の欲求」があり、この上に「自己実現欲求」と「自己超越欲求」があると説きました。

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マズローのピラミッドは、心理学を専攻した人なら常識なのでしょうけど、門外漢には新鮮な分析に見えちゃいます。

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フランクルは日曜神経症を解説し、ワーカホリック(仕事中毒)という用語の起源を与えました。

「日曜神経症(中略)これは、日曜日に、週日のあわただしさが停止して実存的真空が自分の中でパックリと口を開くと、自分の生活の内容の空虚さを意識する人々を襲う抑うつのこと」(フランクル「生きがい喪失の悩み」より)

そして、自己超越という概念を提出します。

「自己実現と呼ばれているものも、自己超越によってもたらされる意図せざる効果であり、意図せざる効果に留まっていなければならない。自己実現を意図的な目標にしてしまうことは破壊的であると同時に自滅的である」(フランクル「生きる意味を求めて」より)

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「自分がなにをしたいのかわからない」「自分がなにをすべきなのかわからない」という自分を見失った状態を「アイデンティティ拡散」「アイデンティティ危機」というのだそうです。それは、モラトリアム青年期のほか、40代、50代の壮年期にも訪れるのだそうです。

これはシンギュラリティ到来、第三次産業革命、生産性革命、RPA革命、AI革命により「技術的失業」が起きた場合の人々の精神的危機と似ていることだと思いました。マズローやフランクルやエリクソンの時代にはごく一部の病的な現象だったものが、大多数の人々を襲うかもしれないのです。

そうであれば、21世紀の我々は、マズローやフランクルやエリクソンを勉強して、その大波に備えるべきじゃないでしょうか。仕事が無くても成立する「生きがい」を考えておくということですね。

※参考書籍

フランクル、夜と霧

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