令和2年5月27日、スーパーシティ法案が可決成立し、公布から3か月以内に施行されることになりました。 国家戦略特別区域法の一部改正の形式をとっています。つまり、スーパーシティ特区を定める法案なのですね。
※スーパーシティ法案参考資料(内閣府説明資料)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/kettei/pdf/r20204_sankou.pdf
この説明資料を拝見しますと、「都市OS」とか、「標準API」などの耳慣れない単語が出てきます。APIはApplication Programming Interfaceの略で、プログラム同士でデータをやりとりする際の規約のことですね。プログラム同士は、同じコンピューター内でも良いですし、ネットワークを介した連絡でも良いわけです。APIに従ってアクセスすることで、欲しい情報を取得したり、相手のプログラムに指示を出すことができます。これは個人情報を行政が自由に参照活用できる都市をつくる法案なのですね。便利な面と不都合な面と、二面性を持った法律です。
さらに「規制のサンドボックス制度」が導入され、自動運転車やドローン活用について、特区の規制緩和を一括許可できるようになるようです。
自動運転や配送ドローンは、すでに技術的に完成の域に達しているのですが、事業者の方は万一の事故の際に責任を負いきれないので何らかのお墨付きを頂きたいし、行政の方も万一の制度設計ミスの場合の責任を負いたくない。二の足を踏んでしまうのですね。そこで、日本全国で数カ所の特区をスーパーシティと定めて試しに社会実験をやってみようと言うわけです。おそらく、自動運転やドローン配送の実験をするのは、人口密集地の大都市というよりは、小規模都市や、さびれた地方都市でやるのだと思います。
中国河北省の雄安新区では、自動運転、無人行政、無人銀行、無人スーパー、無人ホテルの社会実験が行われています。
※JETRO日本貿易振興機構の雄安新区レポート
https://www.ide.go.jp/Japanese/IDEsquare/Overseas/2018/ISQ201830_014.html
韓国の松島新都市Songdo International Business Districtでは、真空自動ゴミ収集システムが作動していると言うことです。松島新都市では、居住者の家の鍵、スマートカードキーを使って、地下鉄に乗ったり、パーキングメーターにお金を払ったり、映画を見たり、無料の公共自転車を借りたりすることができるということです。市民同士の完全なビデオ会議通話、ビデオオンデマンド、全市内ワイヤレスアクセスが提供されています。街中にセンサーが張り巡らされており、気温やエネルギー消費量や交通量などが監視されており、バスの接近情報や、トラブル発生情報などが自動的に通報されます。
https://en.wikipedia.org/wiki/Songdo_International_Business_District
https://en.wikipedia.org/wiki/Automated_vacuum_collection
いずれも全国的に普及できるかどうか分からないような技術を社会実験で試しているという印象です。日本でもそれがいよいよ始まるということですね。
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