デジタル植民地

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カイフー・リー、AI世界秩序

台湾出身でコロンビア大学とカーネギーメロン大学でAI技術を研究し、初代グーグル中国法人社長であり、ヴェンチャーキャピタリストVCでもある、李開復リーカイフー氏のAI世界情勢分析書を読みました。そこに出てきた、デジタルグローバリゼーション、デジタル植民地化という言葉に衝撃を受けました。AI研究開発の内側にいた人物の記述ですので非常に説得力があります。更にこれは、欧米技術者の立場の本ではなく、アジア出身技術者の立場で冷静に情勢分析されていることが重要ポイントです。米中のAI戦争が今どうなっているのか、歴史も交えて説明されています。

何を今更というかも知れませんが、21世紀の植民地主義は、デジタルインターネット空間を通じて攻防が繰り広げられています。

19世紀の欧米列強による植民地主義は、

(1)蒸気機関の発明による産業革命を端緒として、

(2)イギリス、フランス、オランダを中心とするヨーロッパ諸国が、

(3)軍事力と経済力を背景として東インド会社を通じて、

(4)自国民を植民地に住まわせ現地住民を支配していた。

ということなのですが、これが21世紀のデジタル植民地主義だと次のようなことになるでしょう。これは上記の本の記述ではなく、当サイト管理人の見解です。

(1)インターネットとディープラーニングの発明による産業革命を端緒として、

(2)アメリカ、中国の両国が、

(3)ITハードウェア技術とAIソフトウェア技術力を背景として、基地局とスマホとモバイルアプリを通じて、

(4)自国アプリを植民地で使わせて現地住民を支配している。

ということになります。たった200年しか経っていないのに植民地主義の内容が全然変わってしまいました。19世紀の植民地主義では江戸幕府が危機にさらされ明治維新に帰結しましたが、21世紀の植民地主義でも、やはり政権交代は避けられないでしょう。19世紀の植民地主義では、1862年(文久二年)に徳川幕府の千歳丸上海派遣に高杉晋作らが参加し、上海の繁栄と、大国と思っていたシナ人が欧米人の風下に立たされている現状に驚愕して、巻き返しの開国運動、尊皇攘夷運動が激化しましたが、21世紀のデジタル植民地主義では、誰が危機に気付くのでしょうか。日本でも巻き返しの運動が起きるのでしょうか。

21世紀の日本人が、外国製のスマホやアプリを吞気に使っていることは全く憂うべき事態と言わざるを得ません。アメリカではトランプ大統領が事の重大性にいち早く気づき、中国製品の政府取引の締め出し措置を取りました。この意味を良く考えるべきでしょう。アメリカでは5G通信を他国に握られたら「自分達が支配されることになる」という危機感を持っている政策担当者が確かに居るのです。

※米連邦通信委員会(FCC)の2020-6-30プレスリリース

https://docs.fcc.gov/public/attachments/DOC-365284A1.pdf

これによると、米連邦通信委員会(FCC)は、華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)が米国の通信の完全性と通信サプライチェーンを阻害し米国の国家安全保障上の脅威にあたると指定し、連邦政府の資金をファーウェイやZTE製の機器またはサービスを購入、取得、維持、改善、またはサポートするために使用することができないと宣言しています。

まさに覇権争いで、「あなたはどちらに付くのか」と選択を迫られているのです。21世紀を生きる我々は、自分自身が、「どこの国のスマホ」で、「どこの国の通信ネットワーク経由」で、「どこの国のアプリ」を使っているか認識する必要があります。

例えば、米国motorola のスマホ事業は、2014年に中国レノボに売却されましたので、今やモトローラ・モビリティは中国レノボの100パーセント子会社であり、モトローラのスマホは中国のスマホそのものになっているのです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/モトローラ・モビリティ

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