アンドリューマカフィー、エリックブリニョルフソン、プラットフォームの経済学
MITの2人の経営学部教授が書いた「プラットフォームの経済学」によると、21世紀のデジタル情報革命は、3つのトレンド、3つの革命が同時進行しているといいます。それは、「マシン、プラットフォーム、クラウド」の3つです。
「マシン」は、アルファ碁のように、コンピューターの性能が急速に成長拡大していることです。それは、ムーアの法則に従ったハードウェアの進歩と、ディープラーニングのようなソフトウェアの進歩が相乗効果で作用しています。
「プラットフォーム」については、戦略コンサルタントであるトム・グッドウィンの、「ウーバーは車を1台も所有していないし、フェイスブックはコンテンツをひとつもつくっていないし、アリババは在庫を一切抱えないし、Airbnbはひとつも不動産を持っていない」という分析を紹介し、「信じられないほどスリム」な企業により、「何かものすごくおもしろいことが起きている」と言います。
「クラウド」は、クラウドコンピューティングのクラウドではなく、クラウドファンディングのクラウドで、膨大な数の人々の知恵や知識や情熱を意味します。Linuxの開発や、Wikipediaの編纂が成功したのは、クラウドの威力です。
21世紀の巨大IT企業は、プラットフォームを提供して莫大な利益を上げるビジネスモデルを共通して持っているというのです。それは「勝者総取り」の性質を持っています。著者のアンドリュー・マカフィーとエリック・ブリニョルフソンによると、成功するプラットフォームには次のような特徴があるといいます。
- 早い時期に地位を確立する。
- 可能な限り補完財(ビンとフタの関係)の優位性を活かす。多数の安価な商品を取り扱えば、プラットフォームの価値は大きく上昇する。
- プラットフォームをオープン化し、幅広く多様な供給を募る。
- プラットフォームをオープン化した場合でも、参加者に一貫性のある心地よいエクスペリエンスを提供するために、供給サイドに対して一定の基準を示し、審査を行う。
なるほど、apple Itunes storeも、Amazon market placeも、google android play storeも、 どれもこれもプラットフォームの黒子、裏方として機能しているわけですね。江戸時代の賭場で言えば、「胴元」「元締め」ということになるでしょうか。とにかく儲かるわけです。
このように、21世紀の経済は「プラットフォームを中心に回っています」から、就職するときでも、投資するときでも、その会社がプラットフォームに関与しているかどうかを良く考えてみることが必要になります。
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