CAGR年平均成長率

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Compound annual growth rate は、数年以上の期間における平均の成長率をべき乗根で算出したものです。例えば、年間10パーセント物価が上昇して10年が経過すると、10パーセント×10年で100パーセント増加する(2倍になる)ということにはなりません。1年後に110パーセントになった価格が、そこからまた110パーセントになるので、2年後には、121パーセントになります。1.1倍を10回計算すると、2.59倍となります。インフレも賃金上昇も、複利計算されるので、べき乗計算と、べき乗根計算をしないと、年毎の変化率が出せないのです。

たとえば日本の1963年の精白パン1キロの価格は101.2円でしたが、2017年には465.7円になりました。54年間のインフレ率は465.7÷101.2=460パーセントですが、この54乗根を取ると、1.028倍となり、年間平均で2.8パーセントの値上げを繰り返していたことになります。日本は1990年以降の失われた30年でデフレ経済を経験していますが、54年間の平均でみると毎年2.8パーセントずつ価格上昇していたというのは実感に合致する数値です。

更に1963年の全業界平均月収は38644円でしたが、2017年には409589円になりました。54年間の賃金上昇率は409589÷38644=1059.9パーセント(10.599倍)ですが、この54乗根を取ると、1.044倍となり、年間平均で4.4パーセントの賃上げを繰り返していたことになります。日本は1990年以降の失われた30年で賃金上昇を実感できませんでしたが、54年間の平均でみると毎年4.4パーセントずつ賃上げしてきたということになります。それで、物価は2.8パーセントしか伸びてないのに、賃金は4.4パーセント増えていたから実質賃金は大幅に増えてきた、という分析ができることになります。

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CAGR年平均成長率を理解することは、インフレやデフレの影響を受けない実質賃金や財産価格を認識する(貨幣錯覚を免れる)助けになります。世界各国のGDP統計も、常に金額ベース(名目GDP)ではなく、購買力ベースで見るべきです。

※世界の一人当たり購買力換算GDPランキングhttps://ecodb.net/ranking/imf_ppppc.html

日本は貧しい国になりつつありますね。あらゆる通貨や、商品や、株式も、すべて購買力に換算してみるべきです。

※国際通貨研究所の購買力平価ページ

https://www.iima.or.jp/ppp.html

購買力の代わりに、金価格を使う方法もあります。

※あらゆるモノを金価格に換算するサイトpricedingold.com

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金価格に換算して見ると、暗号通貨以外のほとんどの価格が下落し続けていることが分かります。生産性革命によりデフレ経済が常態化しているのです。中央銀行のインフレ政策により名目価格は上がるかもしれませんが、金換算で言えば逆に下がっていることになります。

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