世の中には色んなことを考える人が居るもので、次から次へと新しい概念が出てきて困ります。トークン化ビットコイン wrapped BTC の時価総額が1000億円にせまる勢いであるというニュースを見て最初意味が分かりませんでしたが、少々勉強しましたので、整理してご紹介いたします。
- WBTCは、ERC20ブロックチェーンに記録されたトークンである。つまりイーサリアムのブロックチェーンに残高や取引が記録される。データの堅牢性はイーサリアムや他のERC20トークンと同じ。
- トークン化ビットコインは、トークンエコノミーの一例である。非中央集権化、非法定通貨化の流れのひとつである。あらゆるモノや価値がトークン化されるのでビットコインもトークン化された。
- トークン化ビットコインの取引情報は、ビットコインのブロックチェーンには記録されない。トークン化ビットコインはビットコインではない。
- ビットコインを持っている人が、WBTCの発行元であるbitgoにBTCを送金すると同額のWBTCが交付される。WBTCはイーサリアムブロックチェーンに記録されたトークン(しるし、データ)であり、Dapps(分散化アプリケーション)、スマートコントラクトなどのイーサリアムと同じ機能を利用できる。また、取引速度などもイーサリアムと同レベルとなる。
- WBTC所有者が、WBTCをBTCに交換する申請を行うと、WBTCと同額のBTCが申請者に交付され、WBTCはburnつまり燃やされる(消却される)と主張されている。WBTCの数と発行元が所持するBTCの数は常に同じ、ということ(建前)になっている。
- WBTCの他にも、6つの発行元がトークン化されたビットコインを発行しており、全体で10万7000ビットコイン(約11億ドル相当、1200億円)がトークン化されている。今後も増えると予想される。
- 大手取引所バイナンスはBTCBを発行している。これはバイナンスが運営しているBEP2ブロックチェーンに記録される。
- tBTC https://tbtc.network/
- renBTC https://renproject.io/
- pBTC https://ptokens.io/
- USDC https://www.circle.com/en/usdc
いずれのトークンも、当たり前ながら取得するためには同額のBTCをトークン発行元に送金する必要があります。トークン化ビットコインの価値はビットコインにpegされており、ステーブルコインの一種と言えます。しかし、その送ったBTCはどこに行くのでしょう。トークン発行元がそのまま所持し、償還に備えて全額保持し続けているのでしょうか。本当でしょうか?その記録されたブロックチェーンは安全でしょうか?
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