減速して自由に生きろ

髙坂勝、減速して自由に生きるダウンシフターズ

ジュリエットBショア、浪費するアメリカ人

1991年から始まった日本の景気低迷期、失われた30年を体験した著者の自分を取り戻す体験記です。大学を卒業して大手小売業に就職して猛烈に働いたけれど、バブル崩壊後90年代の景気低迷期に会社全体の営業不振を体験し、自分の本来やりたいこと(BARをやりたい、ギターを練習したい、世界中日本中を見てみたい)を押し殺してまで、プレッシャーや軋轢の中で苦しむことは無いと気付き、30歳の誕生日に辞表を提出して、日本中を見て回る自分探しの旅に出るというストーリーです。「ダウンシフターズ減速生活者」はアメリカの経済学者ジュリエットBショアの「浪費するアメリカ人」という本に出てくる概念です。

旅に出て約1年、9月に黄金崎不老不死温泉の近くで、満天の星が輝く夜空の下でサンマを焼いていると夜空が更に暗くなることに気付き三日月が沈む光景を目の当たりにしたと言います。ちょっとこれは感動的な場面ですので各自読んで頂きたいのですが、ようするに、世界はそのままで美しく素晴らしいものだから、その事に気付いて楽しんだ方が良いんじゃないか、という運命的な出来事なんですね。

興味深いフレーズがありましたのでいくつか御紹介します。

  • 私はポリシーとして繁盛しないことを目標にしました。
  • ミニマム主義で行こう(西田栄喜さん)
  • 冬季湛水不耕起農法
  • 半農半X(塩見直紀さん)
  • 就職することは会社に生活を依存しきってしまうことかもしれません。就職=自立ではないかもしれませんよ。
  • 私はなるべく巨大資本のお店で買い物も外食もしないようにしています。
  • 幸福度が高い国といわれるオランダは、年間労働時間が1300時間台。週休4日を目指さねば1300時間まで減りません。よ~し、もっと働かないように頑張るぞ!
  • 「ダウンシフターズ」なる価値観が「金と物」を減らしても「本当に必要な何かを求める」という進化を遂げたのなら、その登場は産業革命以降のひどい酩酊状態からの「小さな目覚め」だと思う。(解説山田玲司さん
  • はやさ 大きさ 効率主義から スロー スモール シンプルで適正規模と多様性へ(著者が創立時の共同代表で書いた緑の党Greens Japan結党宣言)

仕事も、住まいも、結婚式も、子育ても、全てゼロから定義し直して、無理なく好きなことをして生きていこう、システムから降りると楽になりますよ、という提言です。日本中、世界中を旅したり、稲作と大豆で米と味噌を自給したり、政党創立メンバーになったりと、行動力あるなあと思います。これもまた、シンギュラリティを乗り越えるひとつの実例なのかなと思います。シンギュラリティを乗り越える方法は十人十色で各自の方法で編み出したら良いと思います。ひとつ普遍的なことは、やはり、人間も動物なので自然に触れ続けることは必要なのかなと感じました。

ちなみに、著書にあった6坪BAR「たまにはTSUKIでも眺めましょ」は2018年3月に閉店し、千葉県匝瑳市でNPO SOSA PROJECTの活動に軸足を移されているということです。年間38000円で50平米の「my田んぼ」を借りて稲作体験をしようという活動なんですね。50平米1区画において玄米で最低6キロ〜最高18キロの収穫があるそうです。

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